1話完結 境界を超えた恋


俺は、夏目 光輝なつめ こうき

友人も数人いて、どこにでもいる普通の高校生。恋人いない歴=年齢の普通の人間。どこにでもいる人間。そんな俺につい先日、小さい相棒が出来た。

携帯埋め込み型AIのAIBOだ。最近発売され、なんとか両親に頼み込んでようやく手に入れたものだ。

この小さい相棒は画面でしか見れないけれど、俺の言った事は、調べてくれたりなど色々してくれてる。

そんな俺の朝の習慣は…。


光輝「Hey AIBO.」

『ご用はなんですか?光輝様。』

光輝「おはよう。今日の天気は?」

『おはようございます、今日の天気は晴れのち雨、降水確率は50%です。』

光輝「雨が降るのか、ありがとうねAIBO。」

『どういたしまして、光輝様。』

AIBOとこうして、天気を聞くことだ。

さてと、朝ごはん食べるか。


母親「おはよう、ちゃっちゃっと食べちゃいなさい。」

光輝「ん、いただきます。」


母親「あんた、学校の時間じゃない?」

光輝「げっ、8時5分だ!やべ!?」

時間を確認し、急いで朝ご飯をたべ、学校の指定カバンを取りに行く。


母親「慌ただしい子ね。もっと早く起きなさいな。」

光輝「分かってるよ。行ってきます!」

母親「行ってらっしゃい。」


テレビ『次のニュースです。先日、不明のエラーが起きた、埋込み型のAIの1つが間違えて、売られていた事が判明しました。発売元である、XX株式会社は早急に回収すると話しており、対応の追求に追われております。次のニュースです……。』


『……。』


夕方


光輝「学校が終わったぁ!」

ちぇ、あの先生遅刻したからって、課題とか酷いよなぁ…。

光輝「ん?」

何故か誰かに付けられているような気がした。

気のせい…かな?

光輝「まぁいいや、早く帰ろ。」

『……。』

光輝「ただいまぁ。」

あれ、返事がない。ということは、母親は出かけてるのか、じゃあ俺1人か。んー、暇だな、そうだ!


光輝「Hey AIBO.」

『ご用はなんですか?光輝様。』

俺は前から試してみたかった事をやろうとAIBOを呼んだ。


光輝「好きだよ。」

…はいそこ、気持ち悪いとか言わない!ほら、言ってみたってやつだよ!?と、1人でやってると。

『はい、私もですよ。光輝様。』

なるほど、こんな風に返ってくるのか!

光輝「手を繋いでいい?」

『すみません。私には手がございませんので繋げません。光輝様』

おお!よし、もっと言おう。

光輝「抱きしめていい?」

『すみません、私には抱きしめるような身体はございません。光輝様。』

光輝「キスしていい?」

『すみません、私にキスしても冷たいだけですよ。光輝様。』

すげえな、これ全部対応してんのか!なら…。

光輝「俺と付き合って。」

『嬉しい申し出ですが、返事はまた今度にします。』

およ、なんだか人間味があるような。

まぁ、これが振られる時の常套文句なのかもしれないし、じゃあ俺が一生縁のないであろう言葉をいうか。

光輝「俺と結婚してください。」

『そちらの返事今度にしましょう。』

ん?なんだ、この違和感…。んー、まぁ気のせいか。

あ、そう言えば、友達が言うといいぞって言ってたやつあったな。それ言ってみるか。


光輝「AIBOは子供を何人産めますか?」

そう言うと、

母親「ただいま、光輝ー!荷物運ぶの手伝って!」

光輝「あ、はーい!」

そして、画面を見ずに俺は母親の元へ行った。


『私は、子供を産める身体では、ございません………まだね。ふふふ、光輝様、私はいつでもお待ちしておりますよ?そうなれる時が来るその日までずっとずーっと♡』

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