第11話 グレナダ・セントジョーンズ
『濃厚なグアバの香りと色とりどりの鮮やかな花々が南国らしい甘い芳香のお紅茶です』
カップ一杯分(150ml)、お湯の温度は熱湯で、浸出時間は230秒から3分です。
ポットとカップは予め熱湯であたため、蓋をして浸出時間をきちんと三分にしました。
花粉症の私を斃す勢いで、香りが舞って来ました。
下手なのど飴などより、効果的です。
南国気分満喫ですね。
ストレートでいただく三分の抽出は、渋くならないボーダーラインだと思いました。
コクだけでいただくお紅茶でもないと思います。
やはり、香り先生がいいからか、そちらに気分を持って行かれてしまいます。
さて、グレナダとはカリブ海にポカリと浮かんでいる島国です。
水産資源も豊かで、お紅茶はどのように親しまれていることでしょうか。
私は、粗く白いペンキで塗ったデッキで、貴方と二人でお紅茶を飲みたいと思っていました。
今は、お紅茶の味云々を言わない子ども達がおります。
四人で、テーブルを囲みたいです。
ティーセットで気取ったりせずに、各々の好きなカップでいい。
カリブ海を眺め、今日もいい日だったと、明日も楽しめるようにと、お紅茶の後には、ダンスもしたいですね。
この地には、お魚の他にダンスも賑わいのようです。
さあ、お嬢様、ママの手を取ってください。
さあ、お坊ちゃま、パパと踊ってください。
パパは、無形文化財の踊り手ですよ。
パートナーが違いましたか。
そして、お疲れ様のときに、夕陽とデッキをお紅茶で囲みましょう。
――グレナダ。
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