第34話 34、エピローグ 

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 千が身を捨てて作った超空間通信機は正常に作動し、千が記録した詳細な報告がホムスク星に伝えられた。

報告には修一を主人公とする一つの物語も付記されていた。

ホムスク星の不死の為政者である万と女帝の千は自分の息子の物語を何度も読み返した。

そして銀河系第四渦状碗の先端にある宇宙船G13号の救出のために一体のホムンクを派遣させた。

 ホムンクはロボットの千と同じように7次元物質が頭蓋に組み込まれたロボットだった。

残念な事にその愚かなホムンクはゾーア星から十光年離れた人間の住む惑星をゾーア星だと誤ったためホムンクは宇宙船G13号を発見することができなかった。

 宇宙船G13号は長らくジャングルに置かれていたが、あるとき探検家に発見され、ゾーア人科学者達に詳細に研究され、ゾーア人に恒星間宇宙船製造への道を示した。

なお稼働していたロボットはゾーア国に輸送されてコピーされたが、宇宙船の工作室に置かれてあった機能が理解できなかった装置の中に入っていた美しいロボットはそのままにされた。

 ゾーア星の歴史書に出て来る神様の修一の横に常に控えていた美しい女性であることはすぐにわかった。

大昔に望遠レンズで盗撮された写真の女性の顔と同じだったのだ。

宇宙船は調査が一通り終わるとそのまま放置され、ゾーア星の聖地となった。

ゾーア星に健全な発展をもたらした神様のものであることがわかったからだった。

 ゾーア星人はその後、神様の乗っていた宇宙船と同じような宇宙船を多数製造した。

宇宙船の形は神様の宇宙船に似せて方形だった。

神様の宇宙船は前側と上側が平になっている。

宇宙船としての効率が悪いのは承知していたが尊敬する神様の方形をまねた。


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