第15話 エロアネゴ美人
「リーザ、立派」
僕は素直にそう言った。まさかリーザがそんな事を考えてるなんて。しかしリーザはすこし頭を振った。
「立派じゃないよ」
リーザは売春そのものを否定している訳ではなかった。将来は分からないけど現時点では他にまともな収入なんて確保できる訳がない。
「でもこのままじゃ結局一緒じゃない?」
王国騎士の慰み者から、売春婦になってお金を得れるようになっただけだと言った。
「女を売るにしても男の作ったシステムに頼りたくない」
そういう事か。つまり男に主導権を握られてその掌で転がされている事には変わっていないという点が一番イヤなのだろう。身体を売るのは自分たちなのに。
「あたしが身体を売りたくないのはそういう事」
別に貞操を守りたいとかそんな寝ぼけた事を言ってる訳ではないと言った。
理解と共に言葉が途切れ、さてじゃあ帰ろうかなと思ったら
「ところでシオンって童貞?」
いきなりなんだよ!
「いや、あんたリオンと違ってそういう話を聞かないから」
うっすら自覚はあるがどうも僕は性欲が低いらしい。リオンの話を見て聞いて最初はなんか悪い事にでもお金を使い込んでいるんじゃないかと疑った。まさかそんなに女にお金を使うなんてあり得ないでしょって。
しかしどうやら、リオンはちょっとバカ過ぎるけど、それそのものはそれ程おかしな事ではないと判り始めてきた。クレイブはまあ分かるけど何とロズワルドですらそういう所に行くと聞いて驚愕したのである。
シオンだって自慰行為くらいはするが一週間に一度もしないくらいだった。むしろその瞬間の快感が強すぎて返って自己嫌悪でいやな気分になる。一回するともうしばらくは懲り懲りといった体だ。
「…童貞だよね」
リーザはにんまりと笑ってシオンの実情を把握した。
「多分あんたは誤解してると思うけど」
そう言ってリーザは一口紅茶を飲むと言葉を続けた。
「あたしは売春もナンパも嫌いだけど、セックスそのものが嫌いなわけじゃないよ」
そういうとシオンに近づいて彼の頭を抱きしめた。
「あんたかわいいしね。お姉さんもご無沙汰してるしちょっとレッスンしましょう」
そう言うとリーザはシオンに唇を重ね、そのノースリーブのシャツを脱ぎ始めた。
「り、リーザ…?」
シオンは冷静な口調で言ったつもりだが、それは全く余裕のないかすれ声だった。
「はいはい僕ちゃん。優しくしてあげるから抵抗しなーい」
リーザはくすくすと笑いながらそういうとシオンの服を脱がし始めた。
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