第11話 -_-)b”
「フルーツケーキを構成する主要な3要素は、スポンジ、クリーム、そしてフルーツです」
「じゃあ俺はクリームを作っとくよ」
「お前にクリーム渡したら俺の顔がクリームだらけになるから却下」
「一体それってどういう……?」
「クリームは元々、人の顔に投げつけるためのものでね……」
「ソフィアは純粋だから信じちゃうんでやめたげて」
「えーまず、小麦粉やらなんやらをボウルにあけて……」
「混ぜて型にはめて焼いたものがこちらになります!」
「そしてサンドロップを贅沢に使ったクリームを塗ったのがこれ!!」
「んで、残しておいたサンドロップを3切れ載せたら完成っと」
「結局俺とソフィアちゃんはフレッドが作ったものを指差して紹介するだけの謎要員だった……」
「んじゃ、アベルはお皿運んでー」
「へいへい」
「私は何をすればっ!」
「ソフィアはフォークお願い。ケーキとナイフは俺が運ぶよ」
っとと、ようやっと地の文の出番です。ケーキの描写の任に移りましょう。
フレッドが丹精込めて焼いたそのケーキは、専門店のものにも見劣りしない立派な仕上がりです。
少し押しつぶせば簡単にペースト状になるサンドロップを混ぜ込んだ、おひさまの色をしたクリームが贅沢に使われています。
飾り付けこそ簡素なものの、地の文である私でさえ味見がしたくなるほど——
「うんまっ!」
いつのまにかアベルがケーキを大口で頬張っていました。
えとですね、味見……味見がなんでしたっけ。味見したい……。
あっ、ソフィアとフレッドのリアクションは流石にスルーできませんね。そろそろ私は地の文としての任に戻ることにします。……今もサボってたわけじゃないですが。
ソフィアはキラキラした目で見入っていたケーキを、遂に口に入れる。途端、期待に見開かれていた目が一転、とろん、と細める。
ひとしきりうっとりと頬を緩ませてから、フレッドに向かってぐっ、と親指を上げる。
「美味しいです……!」
まなじりに涙を浮かべて、感動の意を表す。
感情表現が豊かで、見ていて飽きがこない。
ソフィアのお墨付きを貰って、満を持してフレッドもケーキに……手をつける前にケーキを詰まらせてむせ込んだアベルの背中を叩——殴って、今度こそ、と一口ぱくり。
「——っ!!」
「
「
立てた親指を掲げて轟沈。
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ここで物語もひと段落。
まだまだ始まったばかりのこのお話しですが、ひとつお伝えしなくてはなりません。
しばらく、この作品の投稿頻度が落ちます。
これからも少しずつ彼らの日常を投稿していく予定ではありますが、これからはは幾らか距離を取ることになります。
小説家になろうの方でも投稿しているこのシリーズの総合ポイントが100を超えれば、また積極的に執筆を再開します。なろうの方で評価の星マークをポチッとしていただけたらとっても嬉しいです。
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