第6話 狂乱のそり滑り大会
——山頂での食事も終わり、あとは帰るだけ……とはいかない。
リュックサックから取り出したミニそりを掲げて、ソフィアが声を張り上げる。
「山頂から
ちょっとした坂をそりで滑って遊んだことのある子供なら誰しも一度はこう思うだろう。もっと長い坂を滑りたい、と。
そう。それはまさに子供の夢。
「
「憧れだけど狂気の沙汰だからやめて!?」
ソフィアが嬉々として宣言しようとした開幕に機先を制し、フレッドは必死の抵抗を試みる。
「ほら、短距離!
手近な斜面を指さして、適当な言葉で釣る。なんともまぁ、言い方によってはクズの行い。でも状況が状況だから許してほしい。だって死ぬもん。このままじゃソフィアの遊び心に殺されるもん。
「短期決戦……!」
言葉につられて目を輝かせるソフィア。ちょろすぎて心配。
「よーし、行こう!5、4、3、2……」
ソフィアが考え直す前にと、そりを受け取ってカウントダウン。
「「1!」」
——
、………、……ん?
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