第14話 鷹河凉表情テスト

「凉さっきの流石に感じ悪いぞ」

「夏木怖い急に話しかけてくる」

「クラスメイトってそういうもんじゃない?」

「クラス怖い」

「時期慣れるさ」

 慣れるのは彼女ではなく彼女に塩対応されるであろうクラスメイトの方だ。最初は話しかけられてもよっぽどのお人好し、もしくは物凄く彼女と気が合う性格でなければ彼女と話す機会もなくなっていき、徐々に凉でも過ごせるクラスになるだろう。


「なに?私の話?」

「まあ半分くらい夏木さんの話しかな」

「やったー私モテモテじゃん」

「違う、秀は私が好き」

「諸説あるな」

「そっかー鷺ノ宮くんは彼氏候補から除外かな」

「除外は待ってほしいな」

 本当に待ってほしい、好意はなくとも美人から彼氏候補に外されるのはとても悲しい。


「絶対に除外して」

 強めの声で彼女は言った。

「凉ちゃんと友達になりたいし、候補に入れたら恨まれるどころじゃすまなそうだし除外決定!」

「夏木もしかしていい人?」

「そうだよ~」

「友達になる?」

「なる!」

 凉さん、あなたはさっきまであれほど夏木さんが苦手だとか怖いだとか言いまくってたのにもう心変わりしてるんですか?

「よかった!私嫌われてるんだと思ってたわ」

「私頭いい人は好き」

「そう?私そんなに頭良くないよ?」

「じゃあ夏木は別」

「それで二人はどんな関係なの?」

「普通の幼馴染だ」

「鷺ノ宮君はそう思ってるのね」

「凉もそう思ってるぞ、ほら完全に同意してる顔してる」

「凉ちゃんいま顔変わった?」

「結構変わったと思うよ」

 表情が硬いとよく言われているが全くそんなことはない、彼女は感情表現は下手だが代わりに顔によく出ているはずだ。

「私は凉ちゃんレベルが低いのかな?」

「まだまだ」

「ちなみに鷺ノ宮君のレベルは?」

「1000は越えてる」

 僕はいったい何のレベルを上げさせられたんだろう、高い事だけは分かる、上げた記憶がないのは確かだ。

「じゃあ凉ちゃんの表情読みあて対決しよ!」

「なんなんだその勝負」

「分かった」

「凉ちゃん適当に表情やって、せっかくだから菊池君もきて」

「俺は当てて見せるぜ!人を見る目はあるらしいから」

「なんだか菊池君には負けたくないわ」

「うん」

 凉は表情をころころと変化させていく。

「これは楽しい時」

「正解」

「なあ鷺ノ宮、今何か変わったのか?」

「めちゃくちゃ変わってるだろ」

「凉ちゃん次!」

「これは何か疑問な顔」

「正解」

「夏木さんこれ、俺たちが正常だよな」

「うん、鷺ノ宮君怖いな、次」

「これは自慢げな顔だな」

「正解」

「凄いそんなに細かいところまでわかるんだ、私全然わからないよ、流石レベル1000」

「鷺ノ宮すげえな、まじで気持ち悪いレベル」

「なんだろう全然褒められてる気がしない」

「秀は誇っていい」

「そうなのか?」

「うん」

 もしかしたらさっきのクイズの答えを間違えてたかもしれない、なぜなら今の彼女の表情がさっきよりも自慢げだからだ。

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