第3話 パチスロ4号機

2001年


パチスロバブルが絶頂期を迎える前年だったと思う


当時18歳を迎えた俺は友人のちょっとした提案から人生で初めてのパチスロに向かうべく早朝7時からパチンコ屋の前に並んで居た。


当時のパチンコ屋は並んだ順での入場が主流で、現在の集まってから入場順を改めて抽選する方式とは違った。

とにかく早く並んで長時間の並び耐えた者にのみ好きな台を選ぶ権利が与えられた時代だったのだ。(あくまで俺の行動範囲では)


パチスロはどのくらいのお金が必要なのか

いったいパチスロとはどんな物なのか

友人からはたいした情報も貰えず

とりあえず金は沢山ある方が良いと言われ全財産5000円を握りしめ人生初めてのパチスロに向かう俺のテンションは高かった


18歳にとっての5000円はとてつもない金額である

ガストの目玉焼きハンバーグ290円(当時)を注文し1日中仲間とガストでたむろしてるような金銭感覚に5000円は凄まじい金額だ


勝手もわからないままオープン時間を迎え

店内に雪崩込んだ俺は見たことも無い光景に興奮しつつも自分が何をすれば良いのかわからず店内をウロウロしていたと思う

頼りの友人は自分のギャンブル欲を満たしたいだけなのか連れて来た俺には気も使わず慣れた手つきでサンド(パチスロをプレイする為のコインを買う機械)に札を入れるのであった。


俺の事は興味が無くなったであろう友人になんとか何をすれば良いかを聞き出し、友人の言う通りの台に着席した


『4号機、花火』


知ってる方は勿論知っている台であろうが

この台が俺のパチスロ初めての台であり

この後に始まる悲劇の幕開けだったのだ。

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