第2話 出会い~深みへ

きっかけが何だったのか

ジャンケンゲーム

30年前の駄菓子屋ではよく見られた筐体を持ったゲーム機だ

10円を入れてグーチョキパーを選んで機械に勝てば報酬を得られると言う子供でもわかりやすいゲームだ

俺はなけなしの数十円をそのゲームで溶かしていた

当時8歳くらいだったと記憶している

家から自転車で20分はかかる駄菓子屋のジャンケンゲーム機の前で負け呆然としていた俺は家になけなしの10円を所持している事を思い出した。


すぐさまその10円をこいつに入れなければ気が済まなくなり

往復40分自転車を漕ぎ、ジャンケンゲームの前に戻った


ジャーンケーンポン!ズコー!


わかる人にはわかるかも知れないが

一瞬で外れたのである

往復40分もかけて取りに行った10円が無残にも数秒で霧散したのだ


ここで少しでも頭の働く人であればこれを経験にこんな愚かな事を繰り返さないだろうが俺はそんな人間では無かったのだ

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