酔っ払った彼女
しばらくは特に何事も楽しく、楽しく雑談をしながら飲んでいる。
彼女がなぜこのマンションに住んでいるのか問題は解決した。
もしかしたら親がとんでもないお金持ちなんだろうとか、何か怪しい仕事でもしてるのだろうか。
そんな事を考えていたがそんなこともなく安心だ。
なぜ彼女は僕にVtuberな事を隠すのだろうか。
まだまだ分からない事だらけだが楽しい。
しいて問題点を言いうなら、彼女が明らかに酔いすぎているくらいだ。
そんなことを思っていたら、彼女が缶を倒しビールをこぼしていた。
「ありぇ、倒しちゃった」
酔っ払っている彼女が、片付けることなどできるわけもない。
だから僕が片付けるのだ。
幸いなことに下には垂れておらず、テーブルの上に留まっていた。
これくらいならティッシュでもいいかあ。
でも明らかにティッシュのキャパをオーバーしている。
しかも、ぐちゃぐちゃになったティッシュを触るのはあまり好きじゃない。
ゴミの箱にぐちゃぐちゃな、ティッシュを入れるのも気が引ける。
キッチンペーパーにするのも有りだがここは無難なタオルにしよう。
本当は台ふきんや雑巾の方が良いのだろうが見当たらない。
「ねえ、こぼれたビールタオルで拭こうと思うんだけど、拭くのどこにある?」
そう聞くと。
「えーっとね、洗面所のところにあるタオルで」
「了解」
たしか、洗面所は玄関は入って直ぐに左に曲がったところだったはず。
リビングを出てまっすぐ行くと玄関がある。
つまり玄関の手前で右に曲がればいいだけの話。
いくらこの家が広くても流石に迷うことはないだろう。
流石にね。
洗面所に着くと、ぱっと見ではタオルは見つからなかった。
きっとどこかにしまってある。
とりあえず周りを見渡しありそうな場所を洗い出そう。
見た感じ洗濯機の中にまだあるか、いかにもタオルが入っているようなラックの引き出しだろう。
僕自身もだいぶ酔いが回ってきていて、あまり考えられなくなっている。
普段ならここに下着が入っているかもしれない、とか言って躊躇するだろう。
だが今は全く躊躇できない。
適当に二段目を開けてみると幸運なことに、見事タオルを引き当てることができた。
大中小とあったので、真ん中の中を選んだ。
タオルを持ったら余計な事をせずに、リビングに戻った。
リビングに戻るとすでに彼女は酔いつぶれソファーで寝ている。
とりあえずテーブルの上の空き缶やゴミを捨て、テーブルを拭いたり掃除や片付けをした。
「こんなとこで寝てると、風邪引いちゃうからベットに行くよ」
彼女を起こしベットへと連れて行こう。
「もう少しだけだからあ」
そう言ってしがみつきソファーから、一向に離れようとしないのだ。
可愛い。
このままソファーで寝かせるのは良くない気がする。
だが、きっと疲れているのだろう。
「うーん」
悩みに悩み結論を出した。
彼女に毛布をかけて僕は床で寝る。
勝手にベットで寝るわけにはいかないし、ソファーで寝るのは少し無理がある。
幸いなことに毛布がリビングに2枚ある事を知っていた。
なのでそれを引っ張り出してきた。
彼女に毛布をかけると。
「へへへ、あったかい」
と、言いまた満面の笑みを浮かべた。
かわいい。
「じゃあ、電気消すね」
僕は電気を消し、床に寝転び毛布をかけ眠った。
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