僕の彼女は何者?

僕の彼女は本当に可愛い。

まじまじと彼女の顔を見ていると。

何見てるの?

そう言いたげな顔で、彼女は僕の顔を覗いてくる。

そんな彼女も最高だ。

たわいもない話をしながら歩いていると、着いたよここが私の住んでるマンションだよ。

そう言って指を指したマンションはどう考えても普通のマンションではない。

タワマンて奴だろう。

でかすぎて見上げるだけで首が痛い。

タワマンなんて動画でしか見たことない。

凄いというか圧倒されたような何なら怖いような。

不動産の価値とか全くわからない素人だが、相当高いことはわかる。

もしかしたら、億単位のマンションかもしれない。

このマンションは僕がいくら仕事をしても住めないように、普通の人も買うことができないだろう。

彼女はどうやってこの家を手に入れたのだろう。

可能性としては彼女自身が何かしらの方法でお金を稼いだ。

もう一つの可能性は、誰かに買ってもらったり家賃を払ってもらっている。

親がめちゃくちゃ金持ち説も有力だ。


「ほら、さっさと行くよ」

「う、うん」


もちろん入口はオートロックで中に入ると沢山の椅子が並んでいる。

すげぇ。

もはや圧倒されて感想がすげぇしか出てこない。

流石は高級タワーマンションだ。

長い廊下を抜けたらやっとエレベーターが見えてきた。

もちろんエレベーターはデパートにあるようなでかいやつだ。

しかも一台だけでなく六台もある。


「ごめんねうちのマンションいちいちめんどくさくて」

「これくらい全然大丈夫だよ」


流石タワーマンションのエレベーターだ。

階を示すボタンが見たこともない数並んでいる。

下は地下5階から上は55階まである。

もはや怖い。

「私の家は20階だから」

そう言い彼女は20階のボタンを押した。

すれ違った人達も普通の人では感じない、謎の余裕と裕福感がにじみ出ている。

場違い感が半端ない。

僕は若干動揺を隠せずにいたが、彼女と雑談をしているとあっという間に20階に着いた。

エレベーターから出ると、ホテルの廊下くらい長く豪華な廊下だった。

そんなこんなでやっと部屋のドアの前。

部屋に入るためにこんなに苦労するマンションにいつか住みたいと思っていた。

けど、めんどくさいしなんか少し嫌になってきた。

中に入ってみたら以外に僕の家と変わらないかもしれない。

そう思いながらドアを開けてもらい中に入った。

瞬間から僕の家とは違う雰囲気を感じる。

全体的に真っ白で床は大理石、下駄箱の上には高そうな絵が飾ってある。

こりゃあ、レべチだわ。

外は見せかけで中は普通をほんの少しだけ期待したが、やはり中もちゃんとタワーマンションだった。

もう怖い。


「ちょっと散らかってるかもしれないけど気にしないでね。」

「お邪魔します。」


やっぱり女の子の家に行くのは緊張する。

圧倒されてボーっとしてたら、家の中の無駄に長い廊下を抜けてリビングに案内された。

入ってすぐ、まず窓の大きさに驚いた。

しかも本来壁であろう外に接する部分が全て窓なのだ。

家具も豪華すぎるって。


「さあ座って、座って」


そう言われ6人くらい座れそうな白いソファーに誘導された。

僕が座ると彼女は僕の隣に座った。

彼女からほんのりいい匂いがする。

それだけで、若干緊張している。


「喉乾いたでしょ?なんか飲む?」


「え、あ、うん。じゃあなんでも良いからなんかお願い。」


彼女の家の冷蔵庫はとても大きく沢山入りそうだ。

良く周りを見渡したら他の家電もおしゃれで高そう。

どんな飲み物が出てくるのだろうか。

ここは彼女のセンスが光るところなのだろう。


「ごめんね。こんなしかなかったわ。」


彼女はそう言い僕にコーラを手渡した。

コーラは普通に好きなので素直に嬉しかった。


「全然大丈夫だよ。コーラ大好きだし。」


僕がそう言いうと彼女は少しほっとした表情を見せた気がする。

可愛い。


「本当はお酒の方が良いかなって思ったんだけど、家に無くて。」


確かに宅飲みも憧れる。

タワマンとワインは金持ちの象徴なイメージ。

高そうなチーズとか、おつまみにしてワイン飲むのは憧れ。


「やっぱりお酒あった方が良いよね?」


宅飲みしたい気持ちもあるけどわざわざ買いに行くほどかと言われると、微妙な気がする。

まあ、僕一人で買いに行けばいいか。

エレベーターも時間かかるし、ちょっとめんどくさいけどね。


「別になくても僕は大丈夫だよ。」


迷うには迷うけど。

めんどくさいが若干勝ってる気もする。


「じゃあ、私が買ってきちゃうよ。」


そうじゃないんだよ。

彼女に買いに行かせたいなんて本当に、一ミリも思っていない。


「いやいや、僕が行くよ。」


「良いよ、私がちゃちゃっと行っちゃうからさ。部屋とか適当に見てても良いから。」


そう言い彼女は行ってしまった。

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