足は私の武器でアイデンティティ
ナナミくんは戦闘面では本当に優秀だと思う。
私のサポート何ていらないのではないだろうか?
「シールド!」
私はナナミくんの死角からくる攻撃を防ぐ。
なぜこんなことをしているかというと、私たちの実力を測るために先生が作った人型の人形を相手に運動場で実戦形式の授業をしている。
教科書を運ばせたのはなぜか。
教科書は配られず先生の隣に置かれている。
あの使わない教科書のために私は体を張ったのか…。
「ありがと」
「どういたしまして」
私はナナミくんが前線に出てる分サポートに徹するしかない。
前出たいなぁ…。
「セラさん!」
ナナミくんの切羽詰まった声で私はハッとする。
目の前には人形がいる。
(でもナナミくんのシールドは解除したくない)
前線に出てる彼が1番ダメージを食らうからどうしても解きたくない。
自分のレベル不足でシールドは1人しか張れない。
なら一撃で仕留めるしかない。
私の手は非力で殴るなんてとんでもない。
なら何を使う?…生前から癖の悪い足しかないんだよね。
私は人形に向かって回し蹴りをした。
もちろん足に攻撃力強化のエンチャントをかけている。
攻撃を今できる限界まで上げたから明日は足が筋肉痛になっていると思う。
人形の頭は吹っ飛んでいく。
「…ふぅ」
私は一息短く息をする。
「セラさん戦えないって…」
「できたね」
「でも蹴りはちょっと…」
「どうして?」
蹴りは私にとって最高な攻撃手段だアイデンティティだ。
「スカート、制服」
私がスマホで検索するときによく使う方法で言わないで?
スカート…?
あ、私の今の恰好スカートだわ。
「ごめんねお見苦しい物を見せちゃうところだったよー、いやもう手遅れなのか?」
少しだけ恥ずかしくなる。
スカート丈は膝くらい私の蹴り方だと見えてしまう。
「後で説教」
「なんでぇ?!」
急にナナミくんがゲームで見た事のある冷たい顔で言う。
「セラさん、俺の足強化して」
「は、はい!スピード!」
私は突然の指示に慌てながらもナナミくんの足に魔法をかける。
するとただでさえ速い彼がもっと速くなる。
「ナナミくん前に出すぎ!」
私は右手を掲げてシールドをナナミくんに付与する。
「これで」
ナナミくんが人形を壊すと同時に先生が終了の合図を出す。
「本日の授業はここまで!レベルに応じた授業を行うので覚悟してください。私は他の教師と違い甘くありませんので、帰る前に教科書を各自持っていくように」
先生はそう言って初回の授業が終わらせた。
「セラさんお疲れさま」
「うん。ありがとうお疲れさま」
「生徒会終わったら寮前にある噴水の前で待ってて」
「は、はい…」
説教されるんですね私。
お母さんより怖いよあれ、絶対そうだよ。
何て汚い物見せたんだ目腐ったじゃねぇかって言われるのかな?
土下座の準備した方が良いかな?
「ユキナ教室戻ろー」
「う、うん」
私はカナちゃんに呼ばれて教室に戻らないといけないことを思い出す。
まだ授業はある。気持ちを切り替えないと。
私たちは廊下で騒がしくしている。
新入生でここまで上級生の教室付近で騒がしくしてるのは私くらいだと思う。
「授業疲れたね。私もう終わるまでずっと魔法ぶっ放してたかもう動きたくない」
「カナはもう少し威力を調整した方が良い、余計な魔力を使ってるんだから疲れて当然」
「力こそ正義」
「カナちゃん脳筋の考えだよ…?」
お前も脳筋だろうとかの反論は受け付けない。
「ユキナだって蹴ってたじゃん」
「あーあー!聞こえない!」
私は聞こえないフリをした。
「聞こえてるでしょ」
「私都合の悪い事は聞こえないようになっているから」
「聞こえてるじゃんか?!」
カナちゃんが盛大にツッコミをいれる。
さてと、おふざけはこれくらいにしようか。
「でも蹴りは良くないみたい」
「やっぱりスカート?」
「かな?ナナミくん怒ってたんだよね、次下にズボンかスパッツ履けばいいかな?」
「…絶対違う。カエデに同情するよ」
同情する?
何でだろう?
「後で本人に直接聞いてみるよ」
こういうのは直で聞くのが1番だ。
考えてもさっぱり分からないからね!馬鹿だからね仕方ないね!
「それが良いよ」
「だよね!ついでにスパッツとズボンどっちが良いか聞いてみる」
「…セクハラに感じる人もいるから」
「ええ…」
カゲミくんセクハラは多分ならないよ。
ナナミくんならセクハラだと思わないって。
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