第11話 子供たちが危ない(その2)

父「明日にでも、学校に伺いましょう。」


宮木には何が何だかよくわからない。


宮木「おしえて、下さい。一体あなた達は、そして、花音ちゃんは。。。」


父「これは、決して口外されませんよう。出なければ、去らねばなりません。。。我々は目には見えない者達で、行き場に迷う者を天に還す家業をする一家です。」


宮木「では、やはり、花音ちゃんには見えると。。。」


父、母「はい。見えます。」


宮木は納得する。


父「花音は、見えるだけではなく、その者と話せ、また、花音の周りに我々の長と龍神とその子供の龍がいます。彼らに花音は守られています。」


宮木「り、龍神、、ですか。。。」


何だか凄い家に来たもんだと、宮木は考えた。


そうして、翌日、朝の登校に花音の両親が一緒にやってきた。祐一は梨奈を守る為にも花音の学校には来ずだった。


クラスメイト「花音ちゃん、おはよう。あれ?今日はお父さん達と一緒なんだね。具合わるいの?」


花音「大丈夫。。。」


花音は普通に答える。


門には宮木がいた。


宮木「今井、おはよう。」


花音が挨拶すると両親は宮木と一緒にB組の前に来た。


結城「宮木先生、おはようございます。そちらは?」


宮木「うちのクラスの保護者です。学校を見学にとね。。」


結城「そうですのね。


あら、おはよう、中村さん。」


そう、転校生がやって来た。花音と葵はその転校生を見る。


葵「誰だ?あの子。」


葵は中村みつき、、ではなく、その後ろにいる子を見て花音に話しかけた。


花音は葵に思わず、「シッ!」とし、黙らせた。


中村みつきの背後にいる子供はやせ細り、異様な雰囲気を漂わせていた。


中村みつきは花音に、挨拶をしにきた。


中村「おはよう。」


花音「お、おはよう。」


後ろにいる子供がニヤリと笑う。葵にもわかる、それが、いいものではないと。


勿論、花音の両親も気がついている。


ただ、問題なのは、中村みつきだけではない。と言う事だった。B組の教室の中には沢山の低級霊がいたのだ。


葵はそれを見て、驚くばかりだった。


葵「ど、どうすんだよ!あんなに沢山。恐いものだかりだよ。」


慎太郎「それを何とかするのが、我々のお仕事なんだよ。」


花音達は自分の教室へと入った。


花音は葵に話す。これから、起こるであろうことを。


花音「あの霊達は私達が普通の人間じゃないと感づいてる。だから、私達が近づかなくても、あっちからやってくる。」


葵「そ、そうなのか?、、花音は恐くないのか?あんなに沢山いるんだぞ。」


花音「霊達が悪いんじゃない。呼んだのは人間なんだから。」


葵は花音の神妙な表情から、やってはいけない遊びがあるとわかる。いつもは楽しそうに遊ぶ子供達が、一つ間違えば恐いものがやってくるのだと。


その日は花音のクラスメイト達はB組にも行かず、いつもと同じように過ごしている。なぜなら、龍神が、皆を守っていたからだ。



宮木は花音の両親に呼ばれ、一部屋空いている場所で話す事に。


花音の両親は宮木に話す。


父「おそらく、あちらから動くでしょう。我々が普通ではないと、あちらもわかるでしょうから。邪魔をしにきたたと。考えるでしょう。」


宮木「何がいるのですか?あそこには。」


父「「こっくりさん」と言う遊びを通して、子供達が呼んでしまったのです。未成仏霊を。ですから、我々が天にお返しします。先生には結界をはらせて頂きました。ですから安心してください。そして、今後、この遊びをしないように、注意をお願いします。」


宮木はこれから何が起こるのか、予想もつかなかった。


その放課後。。。


子供達が帰る頃、やって来た。中村みつきが、花音を訪ねてきたのだ。


みつき「今井さん、一緒にかえろ。」


すでに憑依され、みつきの表情は変だ。そして、担任の結城までもが、花音の両親に会いに来た。学校見学は如何だったかと。


霊たちは、いや、みつきの後ろにいる者と結城の後ろにいる者とが、凶暴し、花音と両親をわざと別れさせてきたのだ。


父「花音、先に帰ってなさい。」


父が花音に言うと、両親は宮木と結城と一緒に話ができる部屋へと案内されたのだ。


一方花音はみつきと帰ることに。

父(慎太郎様、龍神様。花音と葵を頼みます。)

父は内側から龍神と慎太郎に頼んだ。


そして、その知らせは、兄の祐一の耳に入る。祐一は、梨奈を連れて、梨奈には結界をはり、花音の帰る方へと急いだ。


花音はいつもと同じ帰り道、急にみつきに誘われる。違う道を帰ろうと。


花音は言われるままに、その道を一緒に行くと、公園があった。


二人は公園による事に。べんちに座り、話す。


みつき「今井さんはいつも一人だよね。なんで?一人がいいの?」


そう、みつきが話しているのではなく、後ろにいる子が、みつきのくちを借り話しているのが花音にはわかっていた。


花音「たまたまだよ。中村さんは転校してきて、友達できたの?」


みつき「うん、沢山できたよ。一人は寂しいからね、今井さん、いつも一人だから、こっちに誘いたくて。一緒に来ない?」


花音「どこにいくの?一緒にって、私達、人間が行けるところなの?」


みつきは花音の言葉をきき、すぐさま、みつきの声ではないかのような、トーンで話だす。憑依していた霊が出て来た。


霊「そうだよ。なあんだ、やっぱり私が見えてるんだね。一人ぼっちは寂しいよ。この子も寂しいって心の声が聞こえたんだよ。だから、友達になろうって。」


花音「それは、無理だよ。あなたは人間じゃないもの。こっちの世界には来れない。だから、迎えに来てくれる方々がいるんだよ。」


霊「何を言っているの?私も人間だし、皆と同じだよ。」


葵は慎太郎の後ろに隠れて話を聞いていた。


慎太郎「君は、僕と同じ世界にいる者なんだよ。人間は花音達の世界を離れる時が来るんだ。そして、仏様の所に行き、自分が何処に帰るのかがわかるんだよ。だから、君も帰るところがあるんだ。」


霊「帰るところ?」


憑依していた霊は理解できないような感じだった。そればかりか、花音がでたらめを言っていると思い始める。


花音に乗り移る態勢になり始める。


霊「みつきってこの子より、今井さんの方がいい。話せるから、友達になろう。寂しくないよ。」


花音「私、寂しくないから大丈夫。

あなたは帰ろう。」


霊「嫌だ!」と言うと、みつきの身体から抜け、花音の身体に入り込もうとした。


その時、慎太郎と龍神が花音を守る為、前に立ちはだかる。


そこに祐一がやってきた。数珠と札をその霊にかざし、歯向かう。


花音「お兄ちゃん!、、梨奈ちゃんも?!」


祐一「父さんから知らせがきた。大丈夫だからな。」


花音「うん。」


札と数珠により、霊は消えた。


横たわるみつきを花音は起こす。


花音「中村さん!大丈夫?」


みつきは目覚め、重い身体を起こし、花音を見た。


みつき「あれ?わたし。。。今井さん。一緒に帰ってたのに。。。あ、誰か、私の中にいたんだよ。誰かわからないけど。なんで居たのかわからないけど、恐くて。。。」


花音「大丈夫だよ。もう、居ないから。安心していいよ。」


みつきは泣きながら、恐かったと、花音達に訴えていたのだった。。。


一方、その頃、花音の両親と宮木達は結城の中に潜む、魔物と対面していたのだった。。。













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