第4話 葵と花音

眠ってしまった、花音を葵は少し気になりながら、ずっと側についていた。花音の身体の周りにやはり、黒いものが浮遊するのが見える。


葵「あれはなんだろう。。。」


浮遊する黒いものを葵は、ずっとみていた。


「失礼します。」


保健室に宮木と、花音の母が入ってきた。


母「先生、いつもすみません。。」


保健師「今、眠っています。」


宮木「大丈夫そうですか?」


宮木の質問に、母も大丈夫だと、答え、宮木も、保健師も母親を見る。


母「あら?、、ハハ。よくありますから。。。家で休ませますわ。」


なんだか、何かをはぐらかすような仕草で花音を起こし連れて帰った。


保健師「宮木先生。ちょっと、よろしいかしら。」


保健師の呼びかけに足をとめた宮木。


宮木「なんでしょう。今井になにか、気になる事でも。」


保健師「いえ、今井さん、誰と話してるのかしら?誰もいないはずなのに。。。私、話し声が聞こえましてね。。変だなと。。。精神でも病んでいるのではと。。。」


宮木はその話をきき、花音の日頃からの様子がおかしい、不自然さを感じていた事が繋がったような気がしていた。


それを部屋の隅にいた葵は、話をきいていたのだ。。。



花音は、母に連れられ、自宅に帰ってきた。ベッドに寝かされた花音。。。


母は持っていた携帯を開き、何やら書き込んでいる。


暫くすると、返事がきたのか、それを読んでいた。


母「花音、もう暫く待ってね。お父さん、帰ってくるから。頑張って。」


そう、言うと部屋をあとにする。


葵はベッドの花音を心配そうに上から覗いていた。。。


葵「花音。。。大丈夫か?」

朝より段々と弱る花音を心配する。葵は思った。こんな時に僕が守ってあげられたらいいのに。。。でも、僕には力がない。。。父さんなら、、、

(そうだ!父さんに頼んでみよう!きっと、助けてくれる!)


そう、言うと早速帰ろうとした、矢先、花音の様子が急変する。


なんだか、苦しそうだ。。。


葵「どうしたら、いいんだ!?」


葵が困惑していると、花音が目を開ける。


花音「葵くん、、、なんで、、?ここに?、、、」


葵「花音、どうしたんだよ、苦しいのか?」


葵は花音に寄り添う。花音は、それだけで、何だか安心するかのような、そんな感覚を覚えた。。。


「花音、入るぞ!」

そう、声がし、入ってきたのは父親だった。


父「な、なんだ?、、、」


父が見た光景は、花音の身体に葵が乗っている。そんな光景。。。


父「お前か?娘に悪さする者は!」

だが、父にはただの龍にしか見えず。。。


葵は、そんな父を見て、あたふたしていた。


母も後から入り、驚きをかくせない。


「お待ち下さい!」


聞き覚えのある声が葵に聞こえてきた。


「失礼いたします。」

そう言うと、姿を表したのは金色の龍。。。


葵の父親である龍神だった。。

「父さん!」


葵は泣きそうになりながら、龍神をみた。


龍神は、葵の前に立ちはだかり、花音の両親の前に鎮座する。


花音の父親はそれが、龍神だと、すぐにわかり、敬意をはらう。


その場に正座し、頭をさげた。


父親「龍神様。。。なぜ、貴方様がここへおられるのですか?」


「息子である、龍が私を呼んだ。」


父「む、息子?、、、ですか?」

父親は葵を見て理解する、だが、なぜ、龍が娘についているのか?


理解ができずにいたが、葵が、叫ぶ。


「誰かたすけてよ!、、花音を救けてあげてよ!」


葵のそばでぐったりとなる花音がいた。


葵の父、龍神はそれを見て、すぐさま花音に近づき、花音の身体の上に身を置く。宙に浮き、金色の光を花音に浴びせた。


すると、花音は落ちつきはじめた。


花音の父親と母は、只々その光景を見ていたのだった。。。

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