第3話 今井花音って?…

「花音!起きなさい!、、、遅刻するわよ!」


母親に起こされるが、なかなか身体が動かない花音。。。


母「もう、仕方ないわね。。そんな事でどうするのよ!」


父「なんだ?起きれないのか?。。。今朝は良くないんだな。。」


花音の父と母。花音が朝から起きれない時、必ず一緒にお越しにやって来る。


花音は父と母、そして兄の四人家族。

父親は至って普通の会社務め、母もパートで近所のスーパーで働いていた。花音と兄は歳も離れており、兄は高校生だった。


至って普通の家庭。。。


母「全く!仕方ないわね、奥の手しかないわ!」


父「おい、おい、お手柔らかにたのむぞ。」


母「わかってるわよ。」

母はそう言うと、父に微笑み、真顔になる。そして両手を合し何やら呪文を唱えながら、その合わせた両手を花音の身体に触れる。


やがて、花音は自然と起き上がり、何事もなかったように制服に着替えはじめた。


父「とりあえず、大丈夫だな。では、母さん、行ってくるよ。。。花音、無理するなよ。」


父の言葉に花音は微笑む


母「あら、もう、そんな時間?!急がなきゃ!」母も慌ただしく支度をはじめる。


母「あ、花音、先生には、少し遅れますって、連絡いれておくわね。」


花音はうなずき、着替えを済ませ、キッチンのテーブルに用意された朝食を食べ始めた。座る前には、兄が黙々と食べている。


兄「おはよう。また、起きれなかったみたいだな。。大丈夫か?」


花音「うん。。いつもの事だよ。」


兄「だからって、油断するなよ。」


花音「わかった。ありがとう。」


ぶっきらぼうな会話だが、これでも、兄は妹を心配しているのだ。


🎶ピンポーン🎶


玄関のチャイムが鳴り、母が出迎える。


母「祐一。莉菜ちゃんきたわよ。」


莉菜「おはようございます。」

兄、祐一の母に軽く挨拶をし、外で待っている。兄祐一は支度を済ませ家を出る。


祐一「行ってくる。」



いつもの朝の光景。。。


莉菜「祐一さん、おはよう。」

祐一「あぁ、おはよう。」


莉菜「何かあったの?」

祐一「まぁね、ちょっと。いつもの事だよ。花音が起きれなくてね。」


莉菜「そうなの。。。大丈夫?」

祐一「大丈夫だ。」


兄の祐一と莉菜。二人は幼なじみであり、恋人同士でもあった。


両家共に公認の許嫁でもあったのだ。


高校生から、許嫁。。。


一体、この花音の一家は。。。


遅れて、花音が最後に家を出る。母はとっくに仕事に向かった。


家の鍵をかけ、さあ、行こうとした瞬間振り向くと、居たのだ。


龍の子、葵。。


葵「やぁ、おはよう。」


ちょっと、ぎこちなく葵が挨拶すると、花音も返事をした。


なぜ、葵がここにいるのか?


花音は、すでに気がついていた。葵の気配を。


花音「どうして、きたの?」


歩きながら、葵と花音は話す。


葵「もう一度、君に会いたくて。。沢山聞きたいことがあるんだ!」


花音「なんで、見えるのかって事?」


葵は(なぜ、わかるのだろう。)不思議だった。


葵「そう!なんで、僕が見えるの?」


花音は答えに困る。。。なんでと言われても、見えるものは見えるからで。。。第一、なんでこの龍は見える事に不思議がるのか?


花音「見えちゃ嫌?」


葵「嫌じゃないよ。。嬉しい。しかも、僕見えても恐がらないから。」


花音「恐い?恐くないよ。だって龍でしょ。だから、神様かなって思ったんだよ。」


葵「僕は神様じゃないよ。」

葵が、話を続けようとした時、花音の身体に何か黒いものが漂うのが、葵には見えた。


それが、何なのか、葵は知る由もなく、花音は学校に着く。


教室に入ると、ホームルームの時間で、遅れてきた花音に宮木は、優しく出迎え、クラスの子供達も、


「おはよう」と声をかけた。


席に着いた花音は身体に異変をすでに感じ、違和感すらも、覚えていた。


ここでは、、、と、花音は考え、宮木に調子が悪いと話し、保健室へ行く事に。クラスメイトのあかりが、付添い、保健室へ辿り着く。保健師の先生にあかりは花音を引き渡すと教室に戻って行った。


「また、具合が悪くなっちゃった?」


花音「はい。寝てれば治ると思う。」


「そうね、とりあえず、熱も無さそうだし、お家にはご連絡しとくからね、休んでてね。様子、みましょ。」


花音はベッドに横になり目をつむる。

すぐさま、気配がする、そう、葵。


ベッドの柵の上に葵はいた。


葵「具合わるい?、、大丈夫?」


花音「うん、大丈夫。。。あなたは名前あるの?」


葵「葵。。僕は、葵だ。」


花音「葵(あおい?)。。素敵ね。。私は花音(かのん)っていうの。」


葵「かのん。。。?」


花音「そう、花音。。。」


そう、言うと、花音はいつの間にか眠りについていた。。。


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