第128話 お化け屋敷

「さて、私たちは先にいきましょうか」


「そうだな」


お化け屋敷には先に俺と美央と美琴ちゃんの3人で入ることとなった。




「暗いですね...」


「そうだな」


俺たちは道順に沿って歩いていく。




ガタンッ!


「ひぇぇ⁉︎」


美琴ちゃんは相当の怖がりらしく、先ほどからずっと美央にしがみついている。


「ふふっ、大丈夫ですか?」


美央はそんな美琴ちゃんを妹の様に思っているのか、優しく頭を撫でてあげている。


「途中で外に出ることも出来るらしいぞ、出るか?」


俺は美琴ちゃんにそう伝える。


「い、いえ、大丈夫です...」


変に強がる必要はないのだが...


俺たちは更に奥に進むと、


ガコン!!


急に横から大きな音がして、人形が飛び出してくる。


「きゃああ!!!」


「ひっ...」


流石に美央も少し怖かった様で、俺の服を掴む。


「大丈夫か?」


俺は美央の手を握る。


「す、すみません...」


美央は恥ずかしそうに俯きながらも、赤く頬を染めている。


「行けるか?」


「はい」


俺たちは少しずつだが、なんとかお化け屋敷の出口まで着いたのだった。




一方、遥たちの方は


「ひぇぇぇ〜!?」


遥は驚いて、思わず夏希に抱きつく。


「もう、はるか先輩驚きすぎです」


「だ、だってぇ」


そして、更に歩くと


「うひゃぁぁ⁉︎」


次は雪葉に抱きついてしまう。


「ご、ごめんねぇ、ゆきはちゃん」


「い、いえ」


雪葉は表面状はクールに装うが


(は、はるか先輩、可愛いぃ!)


雪葉は可愛いものが大好きなのだ。


「もう、早く行きますよ!」


夏希は遥を呼びながら、さっさと行ってしまう。


「あぁ...」


雪葉は表情には見せないが、こっそり内心ガッカリしていた。




「あ、出てきましたね」


「おう、おかえり」


俺たちが出たあと、しばらくすると遥たちも出てくる。


「ただいまぁ...」


出てくると、遥はぐったりした様子で俺にもたれかかってくる。


「そろそろ帰るか」


「うん...」


遥は疲れたようなので、俺たちは夏希達より先に帰ることにした。

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