第127話 組み合わせ

「せっかくなので3人ずつに分かれて入りましょう!」


お化け屋敷に着いた時、ふとそんなことを言い出したのは、後輩の雪葉ちゃんである。


「いいですね、どうやって分かれます?」


「私はみやびとならいいよ!」


美央がグループ決めを提案すると、真っ先に遥が俺の腕に抱きついてくる。


「ここは公平にジャンケンで決めましょう」


美央が全員にそんなことを言う。


「ジャ、ジャンケン!?やだ!負けたく無いもん!」


遥はよほど俺と組みたいのか、俺の前に回ってしゃがみ、腰に抱きついてくる。


「はるか先輩...それは公平じゃないですよ...」


雪葉ちゃんは少し引き気味でそう言う。


「でもぉ...」


「まあここは公平にジャンケンしないか?」


俺が横にいる遥にそう言うと


「...わかった」


と、遥は渋々ながら引き下がる。


ジャンケンのルールは勝った人が、負けた人から1人、組みたい人を選んでいくというものになった。

俺たちは早速ジャンケンをする。


「「「ジャンケンポン!!」」」


結果は美央と雪葉ちゃんの2人が勝利となった。


「では私はみやび君を貰いますね!」


美央は早速俺を指名する。


「わ、私は...」


雪葉ちゃんは少し悩んでいるようだ。

しかし、


「?」


美央が雪葉ちゃんに目配せをすると、雪葉ちゃんは口を開き


「はるか先輩を貰います」


と言う。


「わ、私⁉︎」


当然遥はとても驚いている。


「はい!一緒に回りましょう!」


「えぇ...でもみやびと...」


「はるかさんはジャンケンに賛成しましたよね?」


「っ...」


美央の言葉を聞くと、遥は残念そうにこちらを見ながらも、雪葉のところへ向かった。

他は俺たちの方へ美琴ちゃん

遥の方へ夏希という組み合わせになった。

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