第125話 3人でのクリスマス①

クリスマス当日


ピンポーンまだ朝の8時だが、遥はもう到着したらしい。


「おはよう!みやび!」


「ああ、早いな」


「えへへ!遊びに行こぉ?」


遥は俺の腕を引いて、さっさと行こうとする。

しかし、後ろからの声に足を止める。、


「はるかさん、抜け駆けはよろしく無いですよ?」


後ろを見ると、そこにはセーターに身を包み、手には寒そうにカイロを擦りながら持っている美央の姿があった。


「ぬ、抜け駆けじゃないわよ!」


「そうですか?私にはそう見えましたけど?」


「...っ、さ、3人で行きましょ!」


遥は少し残念そうだが、3人で遊びに出かけることとなった。




今日は遊園地に行こうとなったので、俺たちは少し遠くの大きな遊園地に来ている。


「ねぇみやび!あれ乗ろうよ!」


そう言って指差したのは、この遊園地最大規模のジェットコースターである。


「みおはそれでいいか?」


「はい、構いませんよ」


ということで、俺たちはジェットコースターに乗ることにする。


クリスマスということもあって、かなりの時間待ったが、ようやく順番が回ってくる。


「お待たせしました、3名さまですね。お一人様別席となりますがよろしいですか?」


なるほど、俺たちは3人なので1人だけ違う席になってしまうのか...


「みおが行けばいいじゃん?」


「そういうはるかさんはどうですか?」


2人は早速喧嘩を始める。


「あー、俺が行くよ」


このまま喧嘩しても決まらないので、ここは俺がさっさと行くことにした。


「もー、何でみおと乗らないと行けないのよ!」


「私たちが揉めるからですよ」


「みおがさっさと行けばよかったじゃん!」


「自分だってそうすればよかったのでは?」


遥たちはまた喧嘩しそうになったその時


「こんにちは先輩!偶然ですね!」


なんと俺の隣に座ってきたのは、俺の後輩の夏希だったのだ。


「なんでなつきがここに?」


「友達と遊びに来てたら先輩を見かけたので、驚かせるために後ろでこっそり並んでました」


そんなことのために数時間も待ったのか...


「さ、もうすぐ出発しますよ!先輩方も前を向いてください!」


そして、遥と美央は不満そうにこちらを見ながらも、コースターは出発する。


コースターはどんどん上がっていき、1番高いところまで来る。


「みやびセンパーイ!私怖いですぅ!」


そう言うと、夏希は俺に思い切り抱きついてくる。


「お、おいおい」


本当に怖がっていたら抱きついたりするだろうか...


そんな感じで夏希に抱きつかれながらジェットコースターは終点まで着いたのであった。

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