第120話 冬休み②

スースーと私の膝の上で寝息を立てているみやび君を、私は起こさないよう、静かに写真を撮ります。


「ふふ」


またみやび君コレクションが増えたことに満足した私は、少しイタズラをしてみることにしました。


「う〜ん...」


私が指でみやび君の頬をツンツンとつついていると、少し怪訝そうな声を出して私の指とは反対の方向へ顔を向けました。

私はその反応が可愛くて更に続けます。


「んぁ...う..」


「えへへ」




(これは一体どういう状況だろうか...)


目が覚めると、美央が俺の頬を楽しそうにツンツンしている。

俺はそんな美央が可愛いので、ひとまず寝たふりをしている。


「えへへ...可愛いです」


美央はしばらくそんなことをすると、次は


「ふー...」


「っ⁉︎」


突然耳に刺激が走り、思わず体がビクッと反応してしまう。


「寝ていても感覚はあるんですかね〜?」


「では次はキスをしてみましょうか...」


そして、美央は息がかかるくらいの距離までくる。

そして、ゆっくり美央の気配が俺の口に近づいてくる。


「みお...」


「んっ⁉︎」


俺の唇と美央の唇が触れそうになった瞬間、俺から美央の唇に吸い付く。


「んむっ...ちょっとまっ...ぁん..はぁ」


美央の息が上がったことがわかると、俺は唇を離す。


「お、起きてたんですか⁉︎」


「まあちょっと前にな」


「っ〜⁉︎みやび君のいじわる...」


美央は顔を真っ赤にして拗ねてしまった。


「はは、悪かったって」


俺の胸におでこを擦り付け、顔を隠している美央の頭に手を置いて、軽く撫でてやる。


「むぅ〜」


すると、気持ちよさそうに目を細めて俺の目を見つめてくる。


「...どうした?」


「...カッコいいです!」


「そ、そうか...?」


「...はい」


美央は少し照れたように、フイッと目を逸らす。


「可愛いな」


「なっ⁉︎きゅ、急になんですか!」


「いや、可愛いなって思って」


「っ〜⁉︎もう!ご、ご飯作ってきます!」


美央は顔を赤らめながら、少し怒ったようにキッチンへ向かっていった。

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