第114話 みやびの攻撃?

美央と遥とのデートが終わり、次は学校祭が始まろうとしている。


「クラスでの出し物を決めたいと思います!」


クラスのリーダーが前に立ち、俺たちの案を聞く。

まあ俺としては興味ないので適当に聞いている。


それからしばらくすると


「では今から投票形式で多数決をとります!」


案が出たのは

ダーツ

演劇

メイド喫茶

の3つだ。


「みやび君はどれにします?」


俺がどれを選ぼうか考えていると、美央が後ろから俺に尋ねてくる。


「そうだな...みおは何にするんだ?」


「私はメイド喫茶です!」


メイド喫茶か...美央のメイド姿は少し見てみたいかも知れない。


「あ、今見たいと思いましたね?ふふ、いいですよ?みやび君には1番に見せてあげます」


「そ、そうか...」


俺は美央と一緒に投票しに行った。

もちろん選んだのはメイド喫茶である。


投票の結果、美央が望んだ通りのメイド喫茶となった。

だが、メイドだけだと女子のみになるので、男は執事の衣装を着ることとなった。


「やりましたね!みやび君!」


「お、俺は別にどれでもよかったけどな」


本当にどれでもよかった...本当に




その日はそれだけ決めて解散となった。


「はぁ〜!早くみやび君にメイド姿を見せてあげたいです!」


家に帰ると、美央は俺と一緒にソファーでくつろぎながらそんなことを言う。


「まあ確かに...見たいかも...」


「ふふ、ですよね!今からでも買いに行きます?」


「いや...今はいいけど...」


美央は冗談ぽく言っていたが、俺は不覚にも見てみたいと思ってしまった。


「...」


俺はメイド服を着た美央を思い浮かべながら、美央を見る。


「あれ?もしかして本当に見たくなっちゃいました?しょーがないですね、確かあそこに...」


美央はそう言いながら立ち上がり、自分の部屋に入っていく。

そしてしばらく経った後


「みやび君!ありました!」


と言った美央の手には本当にメイド服らしきものがあった。


「なんであるんだよ...」


「ふっふっふっ...いざという時のために隠し持ってたんですよ!」


いざという時にどうしてメイド服がいるんだ...


「早速着てみますね?あ、着替えはこっちでした方がいいでしょうか…?」


美央は顔を赤くしながらそんなことを言う。


「じゃあ...こっちで着替えてくれよ」


俺は美央の頭の少し上の壁に肘を当てて、壁ドンのような形で美央を見下ろす。

美央の表情は少し不安そうで戸惑っているようだ。


「え...あの..みやび...君?」


美央は戸惑いながら俺のことを見上げるも、目を合わせようとせず口をパクパクさせている。


「...可愛い」


「ふゃぁ⁉︎」


俺が少し腰を落として美央の耳元でそう囁くと、美央は体をビクッと跳ねさせ俺から距離を取る。

そして


「や、やっぱりメイド服はまた後日にします!」


と言って、自分の部屋に入ってしまった。


何故俺が急にこんなことをしたかというと、最近美央にはやられっぱなしのような気がしたので、少し少女漫画というものを読んでみたのだ。

そして、そこにあったことを実行すると、見事、美央をドキドキさせられたのだった。

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