第112話 遥とのデート
「お、おまたせ!」
美央とのデートも終わり、今日は遥とのデートだ。
「おはようはるか」
今日の遥は半袖のおへそがでる服に綺麗な足が見える半ズボンで来ていた。
もう今は美央の方が好きだが、そんなこと関係なく遥の姿は可愛く見えた。
「お、おはよ...」
遥はあいさつをしただけなのだが、顔を赤らめ、恥ずかしそうに俯いている。
「じゃ..行こっか」
「ああ」
遥は少し遠慮がちに俺の手を取ると、安心したような表情で俺を見て微笑んだ。
「みやび!あれ乗ろうよ!」
遥と来たのは、少し遠くにある遊園地だ。
「いいよ」
俺は遥が乗りたいと言ったものをいくつか乗る。
「あはは、楽しいね」
「ああ、楽しいな」
「あ、そろそろお昼にしよっか?」
「そうだな」
俺たちはお腹も空いていたので、近くのお店でご飯を食べることにした。
しかし、そんな時に事件は起きた。
「あ!みやび先輩!」
「え?」
突然、俺を呼ぶ声がしたかと思うとそこには後輩の夏希がいた。
「みやび先輩!今からお昼ですか?一緒に食べましょうよ!」
「えっと...?なんでなつきが?」
ここは夏希が住んでいるところから少し距離があるはずだし、見たところ来ているのは夏希1人で友達と一緒という訳でもない。
なぜこんなところに?
「さあさあ!はるか先輩も席に行きましょ!」
「え?なつきちゃん!?」
遥も想定外のことに戸惑ってしまっている。
「先輩方!早く決めてくださいよ!私はもう決めちゃいました!」
「あ、ああ...」
「う、うん...?」
俺たちはなぜか、夏希も参加してご飯を食べることとなってしまった。
「お待たせしました」
しばらくすると、ご飯が席に運ばれてくる。
「み、みやび!あ〜んしてあげる!」
遥は少し夏希のことが気になっているのか、ちらちら夏希を見ながらも俺にそんなことを言ってくる。
「あれ?はるか先輩はみやび先輩と別れたんじゃないんですか?」
「えっ...っ..その...」
夏希がそう言った瞬間、遥の表情が曇り笑顔が消えてしまう。
「あれ?聞いちゃいけなかったんですか?」
夏希はきょとんとした顔で俺たちを見ている。
「...ご、ごめん、私急用思い出しちゃった!もう帰るね」
「え?おい、はるか」
そのまま、遥は遊園地の出口の方に走っていってしまう。
「えっと...すみませんでした、みやび先輩」
「ひとまずはるかを追うよ」
俺は財布からいくらかのお金を夏希に渡して、遥の向かった方へ走っていった。
(まだそんなに遠くは行ってないはずだが...)
俺はまだ園内に残っていることも考え、出口周辺を探す。
すると、出口の近くの壁の下にうずくまっている遥の姿があった。
「はるか」
俺はそんな遥に近づく。
「み..みやび...?」
遥は目に涙を浮かべながらも、こちらを見る。
「みやび...ごめんね、私...焦っちゃってつい...」
遥は俺に抱きつき、目からは涙がこぼれてしまう。
「もう大丈夫だ、早く戻ろう」
俺は遥を落ち着かせるため、頭を撫でながら優しく言う。
「う...うん、ありがとぉ」
その後、2人でアトラクションを乗って、遊園地を楽しんだ。
「はぁ、楽しかった」
「そうだな」
「ありがとね、みやび」
「こっちこそ、楽しかったよ」
しばらくすると、分かれ道に差し掛かる。
「じゃあね、また学校で」
「ああ、またな」
俺が自分の家に足を向けたその時
「ま、まって!」
遥は俺の服を後ろから掴んでくる。
「どうした?忘れ物?」
「みやび、私、今日でみやびのこともっと好きになった...だから私、諦めないよ?」
「あ、ああ...」
「じゃね!」
遥はそう言うと、笑顔で走り去ってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます