第111話 美央とのデート

「では行きましょうか、みやび君!」


「ああ、そうだな」


体育祭での遥と美央の勝負は同率だったため、俺は1人ずつデートをすることになった。

そして、今日は美央とのデートの日だ。


「ふふ、いい天気ですね」


「そうだな」


俺たちは今日の予定は決めておらず、近くを散歩する、お散歩デートというものをしようと思っている。

そんなことより...

俺は隣の美央を見る。

白のワンピースに身を包み、麦わら帽子を被っている美央は本当に綺麗だった。

そして、俺と目が合うとニコッと笑顔を返してくれる美央は本当に天使だった。


「と、とりあえず公園にでも行ってみるか?」


「そうですね!」


俺たちは公園に向かい、歩いていると


「あっ」


俺の手と美央の手が軽く触れる。

しかし


(あれ?)


いつもなら俺に手を繋ぎたいと言ってくると思うのだが、美央は気にした様子はなく、楽しそうに俺に話しかけてくるだけだった。


「公園に着いたらひなたぼっこでもしたいですね〜!みやび君が私を抱く形で...あ、エッチな意味じゃないですよ?」


「みお...手、繋ぐか?」


「...ふふ、みやび君は繋ぎたいのですか?」


美央は悪戯な笑みを浮かべて俺に聞いてくる。


「え?俺?」


「はい!」


「俺は...繋ぎたい...」


「では!繋ぎましょう!」


美央は満足そうにして、俺の手に自分の手を絡めて恋人繋ぎにする。


「ふふ、みやび君の手..男の子らしくゴツゴツしてて大きくて大好きです!」


美央はニコッと笑いながら言う。


「俺も美央の手...好きだよ」


「手...だけですか?」


「いや..全部だよ」


俺はもう片方の手で美央の頬に手を寄せる。


「ふふ、嬉しいです」


こんな感じで公園に着く前から、少しイチャイチャしていたのであった。




「はい!みやび君!ソフトクリームを買ってきましたよ!」


公園に着いた俺は美央にベンチで待っているよう言われたため、待っていると、美央は2つのソフトクリームを持って帰ってきた。


「ありがとうみお」


俺は美央からソフトクリームを受け取ろうとする。


「ダメですよ!私が食べさせてあげます!」


「そ、そうか、じゃあ頼むよ」


「はい!あ〜ん!」


「あ〜ん」


俺は美央からソフトクリームを食べさせてもらう。

すると、口の中にチョコの味が広がる。

美味しい。


「ふふ、みやび君、ほっぺに付いてますよ?」


そう言いながら、美央は俺の頬についたソフトクリームを指で拭き取り、「あ〜ん」と言いながらそれを舐めとる。


「...」


「?、どうかしました?」


その姿がどんなに男を刺激するというのか...本人は無自覚なので更に困ったものだ。


「可愛いなって...思ってさ」


「?、そうですか?ありがとうございます」


美央は不思議そうに俺を見た後


「次はみやび君が食べさせてくれませんか?」


「ああ、わかった」


俺は美央からソフトクリームを受け取り、美央の方へ少し傾け


「ほら、あ〜ん」


「あ〜ん」


美央はしばらく味わった後、口の周りについたソフトクリームをペロッと舐めとる。


「...みお..誘ってる?」


「はい?ふふ、もしかしてみやび君...したくなっちゃったんですか?」


美央は俺を煽るように甘い声で俺の耳元に囁いてくる。


「なんでそうなるんだよ」


「え〜?だって私は普通にしてただけなのに、みやび君は誘ってるだなんて」


「そ、それは...」


俺は言葉が思い付かず、黙ってしまう。


「それは..なんですか?」


美央は何か言って欲しいのか、俺の前に周って、期待した目で俺を見つめてくる。


「み、みおが可愛いから...正直ちょっと触れたくなった…」


「触れたいだけですか...?」


「っ…いや...だけじゃない...」


「ふふ、私もです」


美央は俺の言葉を聞いて満足したのか、質問をやめて、キスをしてくる。


「はぅ...」


俺もそれを拒むことはせず、美央と触れ合う唇に意識を向けて堪能していた。


「ぷはぁ...はぁ、みやび君とのキスはいつになってもドキドキします...」


美央は少し照れた様子で俺を見ながらそんなことを言う。


「俺も...」


「みやび君...私..」


美央は顔を紅潮させて、物欲しそうに俺の顔を見つめてくる。

俺はそんな美央の唇を奪い、そのまま数秒間舌を入れる。


「はぁはぁ..みやび君...したいです..」


「外でするのか?」


俺は美央の頭に手を置いて、軽く撫でながら美央に尋ねる。


「そ、そとは...やだぁ..中で...ホテル、行きたい...」


美央は気持ちが昂ったのか、いつもの敬語をやめて崩れた言い方で俺の服を掴みながら誘ってくるように言う。

おそらくこの誘惑に勝てる男子高校生はほぼ存在しないだろう。


「...帰ろうか」




流石にまだ高校生で、ホテルに入る訳にはいかないため、家に帰ってきた。


「はぁ...みやび君..」


家に帰ると美央が俺の唇を貪るようにキスをしてくる。


「みお...可愛い」


俺が抱きしめると、美央は今度は俺の耳を舐め始める。


「はぁ...みやび君...」


「...っ」


耳を舐められ、たまにかかる吐息が更に俺を興奮させる。


「みやび君...私のこと...好き..?」


「ああ、大好きだよ」


「っ〜...も..だめ...早くベッド行こ…?」


「...そうだな」


俺は美央とかなりの頻度でしているが、こんなふうに誘われてしまうと断れるはずがない...

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