第104話 夏休み

1学期も終了し、夏休みに入った。

結局、あれから遥とは全く言葉を交わしていない。


「みやび君!遂に夏休みに入りましたね!」


俺がリビングで少しそんなことを考えていると、美央が後ろから声を掛けてくる。


「そうだな」


「そのことで少し話が...」


美央は俺の隣に座りながら言う。


「私の父がある島に別荘を持ってるので一緒に行きませんか?」


「べ、別荘?」


流石お金持ちだ。


「嫌ですか?私は一緒に海でみやび君と遊びたいですけど...」


美央と2人きりの海か...悪くない、むしろ行きたい。


「俺も行きたい」


「よかったです!では明日そこへ向かいましょう!」




翌日、俺たちは船で少し離れた島へ着いた。


「おお、すごいな」


美央の別荘はかなり大きい。

今俺たちが住んでいる家より大きいんじゃないか...


「みやび君!早く海に行きましょう!」


「お、おう」


美央はパーカーを着ているが、前のチャックは開いておりそこから白い水着が見えている。


「あ!その前に私の水着姿先に見ます?」


「え?じゃ、じゃあ...」


俺だって可愛い彼女の水着姿は見たい。


「ふふ、どうぞ...」


美央はパーカーを脱いで、ポーズを取るように後ろで手を組む。

美央の肌はとても綺麗でシミひとつない、そして美央の大きな胸を隠す白い水着もとてもよく似合っている。

そして大きな胸とは反対に細くしまっているお腹まわりに健康的な足は俺の目を釘づけにする。


「...ど、どうです?」


俺があまりにも長い時間見続けるため、美央は照れた様子で少し居心地の悪そうにする。


(これは...少しいたずらできるかも..)


俺はそんな美央を更に見続ける。


「っ〜⁉︎あ、あの!何か言ってくれませんか..?」


「...」


「〜っ!!」


俺が見続けていると、美央は突然胸を自分の腕で覆い隠す。


「どうしたんだよみお」


「ど、どうしたって...みやび君がずっと見てくるからですよ!」


美央は顔を真っ赤にして俺を睨む。


「でも自分から見せてきただろ?」


「そ、それは...みやび君のいじわる...」


美央が拗ねてしまったので、流石にそろそろ謝る。


「ごめんごめん、流石にいたずらが過ぎたよ」


「も〜!みやび君はエッチすぎます!」


「ごめんってば、悪かったよ」


美央はポカポカと俺の胸を叩いてくるので、あやすように頭を撫でてやる。


「むぅ〜!早く行きましょう!」


美央は俺の手を強引に引いて、海へ向かう。




海岸に着くと、流石に島までは買ってないのか、何人かが海で遊んでいる。

それでも少人数なので遊ぶには十分だ。


「この辺でいいか?」


「はい!お願いします」


俺たちは砂浜にパラソルと椅子を置く。


「バレーボールでもするか?」


美央の別荘にちょうどボールが置いてあったので、それを持ってきた。


「しましょう!どうせなら負けた人は相手の言うことを聞くという罰ゲームもつけましょう!」


「えぇ...まあいいけど」


勝てば美央に1つ命令をできるのか...悪くない、これは絶対に勝たないと


「おお!乗りましたねみやび君!」


「ああ、やろう」




「くっそぉ...」


勢いよくあんなことを言ったものの、結果は惨敗だった。

そういえば美央は運動神経がかなりいいんだった。

いくら俺が走るのが早くても、ボールを打ち返せなければ意味がない。


「私の勝ちですね!みやび君への命令はまた今度いいますね?」


「わ、わかったよ...」


ということで1つ美央の言うことを聞くことになってしまった。

まあ可愛い美央からのお願いなら大体聞きたくなってしまうのだが...

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