第101話 選択
「おはようございますみやび君!昨日はいい夜でしたね!」
美央は笑顔で言う。
「あ、ああ、おはよう」
遂に美央としてしまったのだ。
俺は恥ずかしくなり、目を逸らしてしまう。
「みやび君!こっち見てください!」
美央は俺の腕に抱きつきながら言う。
(うっ...や、柔らかい)
昨日は緊張からか、あまり感覚は覚えておらず、ただ、してしまったということだけ覚えていた。
「みやび君...しちゃいましたね...」
美央は昨日のことを思い出してか、顔が赤くなっている。
「そ、そう...みたいだな」
「それで...その、どうしましょう?」
「な、何が?」
「私たち...もう付き合ってますよね?」
美央は心配を含んだ目を俺に向けてくる。
まあそうなるのも当然か。
昨日俺は美央を求めてしまったのだ。
つまり、美央を選んだということになる。
「まあ...そうなるかも」
「ふふ、ではこれからは彼氏彼女ですね!」
「...そうだな」
思えば、遥がいなくなった時はいつもみたいに誘惑などせず黙って見守り、むしろ美央の言葉で立ち直ることができた。
なんだかあっちがだめならこっち、みたいな感じだが、今の俺は本当に美央のことが好きになっていた。
「よろしくお願いしますね?みやび君!」
「ああ...よろしく」
こうして、俺たちは付き合うことになった。
少し遥に後ろめたい気持ちもあるが、遥とはもう縁を切られた上、それ以上に美央が魅力的だった。
その日、俺たちは学校から帰ってきた。
「今からご飯の用意をするのでリビングでゆっくりしててくださいね!」
「あ、ああ...」
あれ?付き合ったんじゃないのか?
てっきり美央は帰ったらすぐに俺を求めてくると思っていたが、そんなこともなかった。
「ふう、やっと料理が終わりました」
「お疲れさん」
美央は料理を終わらせて、俺の隣に座る。
「あ!今この番組やってるんですね〜」
「ああ、そうみたいだな」
「...」
「...」
そのまま美央はテレビを見始めてしまった。
ん?おかしいな...付き合う前はずっと誘惑してきたのに...
「み、みお..」
「ん?どうかしました?」
「いや...その、いつもみたいに誘惑してこないのかな〜って...」
くぅぅ...言ってる自分が恥ずかしい。
「あ〜そういうことですか、まあもうみやび君と付き合えた訳ですしね、少し余裕が出てきました!」
「...そうか」
澄ました顔でそんなことを言う美央。
遥と付き合っていた時は、遥から求めてきてくれたが、美央は一旦は満足といった様子だ。
しかし、俺は自分で言うのも恥ずかしいが、せっかくの彼女とイチャイチャしたい。
「みお...キスしたい」
俺は美央に顔を近づけながら言う。
すると、美央は満足そうな笑顔を浮かべる。
「いいですよ、してください」
そう言うと、美央は目を瞑り俺を待つ。
「んっ..ふぁぁ..」
キスの途中に漏れる美央の甘い声に俺は刺激されていく。
「もっと私とイチャイチャしたいですか?」
「したい、もっとしたい」
「ふふ、おいで〜みやび君〜!」
美央は満面の笑みで手を広げる。
「みお...」
俺は美央の胸の中に飛び込む。
すると美央が俺の頭を抱きしめてくれる。
気持ちの良い柔らかさと安心感に包まれ、俺は本当に幸せな気持ちになる。
「ふふ、みやび君は可愛いですね」
「...みおに言われたくはない..」
どうして俺が可愛いになるんだ。
可愛いのは美央の方だ。
「ふふ、いい子ですね〜みやび君は」
美央は俺の頭を撫でながら言う。
「...みお、好きだ...」
俺はもう一度美央にキスをする。
俺が美央を求める、という姿は完全に付き合う前と逆である。
「ふふ、今からしちゃいます?」
「いい?」
「みやび君がしたいなら...」
「みお...」
こうして俺は2日連続となる行為を始めた...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます