第78話 新年

パンッパンッ


ニ礼ニ拍手一礼し神社に祈る。

俺たちは近くの神社に初詣をしに来ている。


「みやび!これ!」


俺たちはお守りを買うため、選んでいると遥がその中の1つを指差す。

そこには縁結び、と書かれたお守りが置いてあった。


「ん?縁結びか、いいんじゃないか」


「だよね!1つずつ持っておこうよ!」


「そうだな」


「ずっと一緒に...いられるといいね」


「ああ、そうだな」


俺たちは縁結びのお守りを1つずつ買った。


(はるかとの縁が切れないようにな...)


俺はそのお守りを財布につけて大事に服の内ポケットに入れた。




「何食べようか」


俺たちはある程度参拝した後、近くのフードコートに来ていた。


「みやびは何食べる?」


「そうだな...軽いものでいいかな」


もう結構な時間のため、俺はあまり量の多くない食べ物を頼むことにした。


「私はお腹減ってるなー...あれにしよ!」


遥はどんぶりを頼んでいた。

遥はかなり食べる方だが、それでも太らない。

一体食べたものはどこにいっているのだろうか...


「私はうどんの気分なので買ってきますね」


美央はうどんを食べるらしい。

美央も今日はがっつり食べるらしい。

しかし美央もお腹周りはすらっとしており、一体食べたものはどこに...いや胸だ。おそらく胸にいっているのだろう。

うどんも、もちもちしてるし...



「ふぅ...ご馳走様」


俺は2人より先に食べ終わり、食器を返した。


「悪い、少しトイレに行ってくる」


「ん、わかった」


「わかりました」


俺は尿意を催しトイレに行った。


「ふぅ...」


「あの〜...」


俺は出し終わり、遥たちの所へ戻ろうとすると、何者かに声をかけられる。


「はい?どうかしました?」


声の主は俺の1つ上くらいだろうか、身長は俺より少し高いくらいで、目が隠れるほどの前髪に剃られていなく伸び放題の髭、服はボロボロであまり綺麗とは言い難い見た目の男だ。


「白雪美央という女性を知っているでしょうか?」


「?、さぁ...知りませんね」


「そうですか...」


そう呟くと男は去っていった。

俺は何故かこいつは危険だ、と本能が知らせているような気がしたので、一応知らないふりをした。


「誰だ?..あの男」


俺は少し引っかかったが、今考えても答えは出ないと諦め、遥たちの所へ戻った。

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