第77話 美央の家からの帰宅

「またいつでも来てくれていいからね!みやび君!」


「は、はぁ、では..」


美央の父親に見送られ、俺たちは我が家へ向かっていた。

ちなみに俺の両親は俺と美央が恋人だと思っている為、気を使い、先に帰ることにしたらしい。


「みやび君..手、繋ぎませんか?」


美央は自身の手を遠慮がちに俺に差し出してくる。


「あ、ああ、そうだな」


折角差し出してくれているのに、断るのは悪いと思い、俺は美央の手を取る。

美央の手は細く、すらっとしておりとても綺麗だ。


「みやび君...この帰省を通して私への意識...ちょっとは変わりました?」


美央は少し余裕がある笑みを浮かべながら、俺にそんなことを聞いてくる。


「...まあ..変わった..かな」


実際、俺はこの帰省により美央への気持ちを自覚してしまった。


「では..いっそ私と本当に付き合うなんてことは...」


「それはだめだ、まだ美央のことを本当に好きになったとは言えないし..俺にはまだ...」


俺は遥の顔を思い浮かべる。

満面の笑みで俺の名前を呼ぶ彼女は、俺の中で天使そのものだった。


(大丈夫だ...俺は遥が好きだ..)


俺は自分に言い聞かせるようにして、我が家の玄関を開け、中に入った。


「あれ?はるか?」


中を見ると、遥の姿が無い。

この時間は家にいるはずなんだが...


「どこかに行ったのでしょうか?」


「遊びに行ったのかもな」


俺は遥にメールを送り、ひとまず自分の部屋に荷物を置きにいく。


「はぁ...」


「痛いっ!」


俺は帰省で少し疲れたので、自分の部屋にあるベッドに腰掛けると中から何か声が聞こえる。


「ん?」


俺は何かとも思い布団をとり、中を覗いてみると


「はるか、こんな所にいたのか」


なんとそこには遥が隠れるようにして、潜っていた。


「ば、バレちゃったか〜」


「何してるんだ?こんな所で」


「ん〜?それはね〜?こうするためだよ!」


遥は勢いよく俺を引っ張る。


「お、おい⁉︎」


俺は遥に引っ張られ、遥の上に覆いかぶさる形になってしまう。


「よいしょっ!」


遥は掛け声と同時に手を俺の腰に回す。


「な、なんだ?」


「なんか最近みやびがみおの事見てる気がする...」


女の感というやつだろうか。

そんな素振りを遥の前で見せた覚えは無いが、勘付かれているたらしい。


「そんな事ないよ、俺ははるかのことしか見てない」


「ほんと?」


「ああ、本当だよ」


俺は遥を抱きしめ、遥の感触をしっかりと感じる。

暖かい、俺より少し小柄で腕の中にすっぽりと収まる。

そんな遥が愛おしい。


「あぅ..みやび...」


遥は俺に甘えるような声を出して、俺の体を軽く触り出す。


「ねぇみやび...したい...」


「はるか...」


俺は遥の首あたりを軽く舐め、そのまま唇まで持っていき...


そのまま、30分ほど行為に及んだ。

行為中の遥は本当に可愛く、なによりも愛おしく感じた。

俺はやはり、美央より遥の方が好きという気持ちが大きいのだ。

ということを実感した...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る