第70話 遥へのプレゼント

「たっだいまー!」


翌日、遥が帰ってきたので、俺はプレゼントを渡すことにする。


「はるか、1日遅れたけどプレゼント渡すよ」


「おおー!!なになに?」


遥は俺の方に駆け寄ってきながら、嬉しそうに待つ。


「ほら、これだよ」


俺はそう言うと、1つのネックレスを渡す。


「うわぁ!ありがとうみやび!」


「ああ、気に入ってくれたならよかったよ」


「えへへ、ねぇみやび、着けてよ..」


遥は少し恥ずかしそうだが、それよりも期待の方が大きいようだ。


「ああ、いいぞ..ほら」


俺は遥からネックレスを受け取り、遥の首に着けてやる。


「ど、どうかな..?」


遥は少し上目で俺を見ながら、俺に聞いてくる。


「とても似合ってるよ」


「ホント?ありがと!」


遥は嬉しそうな笑顔で俺に抱きついて喜んでいる。


「みやび、私からもプレゼントあるんだけど...受け取ってくれるかな?」


「ああ、もちろんだよ」


遥は突然、緊張した様子で言うと、カバンから2つの何かを取り出す。


「これなんだけど..どうかな?」


それは金色と銀色の長方形のストラップだった。

遥はその中の金色の方を俺に渡す。

どうやらペアストラップのようだ。


「みやびと一緒のつけたいって思って...買ったんだけど..」


遥はもじもじしながら、そんなことを言う。

そんな姿が本当に可愛い。


「ありがとう、とっても嬉しいよ」


俺は思わず遥の頭を撫でる。


「ん..なら...よかった」


遥は耳まで真っ赤にしながら、少し俯きがちに言う。


「えへへ...」


遥は少し照れた後、嬉しそうに笑顔を見せてくれる。


「..ありがとな」


俺は何故か遥を抱きしめたくなったので、遥の体を腕で包み込む。

もしかしたら、無意識に美央へ向けてしまった少しの意識を打ち消すためなのかもしれない。

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