第68話 クリスマス②

俺の頭にふにょんと柔らかい感触を感じる。


「..みお?」


俺はそこから少し顔を浮かせると、先程まで俺の頭にあったものが判明する。


「っ⁉︎」


美央の呼吸に合わせて上下に動き、美央が恥ずかしさで少し隠そうとするだけで、形を変える2つの山のようなもの。

そう、俺の頭に当たっていた柔らかいもの、それは美央の胸だったのだ。


「んっ..みやび君..,」


美央は焦っている俺が頭を上げたのを見ると、俺の頭を抱えて再び自分の胸に寄せる。


「んぐっ⁉︎」


「ふふ、もっとゆっくりしてくださいよ..」


美央は楽しそうな声で笑う。


「ふぅっ..みお...」


俺の顔は美央の胸の谷間にすっぽりハマり息がしにくいが、美央の胸は柔らかくてとても気持ちよく、そんなことなどもうどうでもいいような気がしてくる。


「ほーら、たくさん甘えてくださいね..」


美央は普段とは違い、少し低めの声を使い俺の耳元で囁いてくる。


「うぁ...」


その声があまりにもセクシーなので、俺は自然と声が漏れてしまう。


「ふふ、体の力を抜いてくださいね..そのまま気持ち良くしてあげますから..」


美央はそう言うと、俺の下半身に手を伸ばそうとし...


「ってなにしようとしてるんだよ!」


危なかった、完全に気持ち良さで我を失っていた。


「むぅ、折角もう少しで触れたのに..」


美央は不服そうに言う。


「全く、油断したらすぐこれだよ..」


「じゃあせめて膝枕だけさせてくれませんか?」


美央は自身の太腿を叩きながら、そう言って俺を見る。

どうやら俺がされる側のようだ。


「えぇ..」


「大丈夫ですよ、何もしません」


美央はそう言うが、流石に信用はできない。


「お願いです..私には..みやび君が必要です..」


美央は目を涙で潤ませながら、こちらをじっと見つめてくる。


「うぐ..」


急にそんなことを言われたら卑怯だ。

美央は本当におねだりが上手い。


「..じゃあちょっとだけお願いしようかな」


結局俺は美央のお願いを受け入れてしまった。


「はい!どうぞ!」


俺は美央の太腿の上に頭を乗せる。

美央の太腿は少しひんやりしていてとても気持ちいい。

そして、柔らかさと美央のいい匂いが合わさり、最高の枕となっている。


「どうですか?」


美央は俺を見下ろす形で俺に感想を求めてくる。


「ああ、ちょうどいいよ」


美央の太腿は本当に心地よい。

この枕じゃないと満足できなくなりそうだ。


「そうですか..」


美央はそう呟くと、俺の頭に手を乗せて軽く撫で始める。


「お、おい、何してるんだよ?」


「頭を撫でられた方が、気持ちいいと聞きましたのでやってみようかと」


確かに頭を撫でられていると、どことなく安心感というものがある。


(やばい、かなり眠くなってきた)


しばらくすると、俺は目を開けるのがやっとな程に眠くなってくる。

そして次第に瞼は閉じていく。


「ふふ、眠ってもいいですよ」


「ぅ..みぉ..」


俺はなんとか起きていようとするが、次第に視界が狭くなっていく。

そして最後に美央の声がうっすら聞こえる。


「おやすみなさい、みやび君..」


俺は美央の優しい声を聞きながら、眠りに落ちてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る