クリスマス

第67話 クリスマス①

「おはようございます!みやび君!」


「んん...もぅ朝か...」


俺は美央に起こされ目が覚める。

今日は美央と2人きりの日だ。

ちなみに遥は姉の春菜と一緒に親戚のパーティーに参加しに行ったらしい。


「おはようございます!」


「あぁ..おはよ..ってなんだよその格好⁉︎」


俺は美央の服を見た途端一気に目が覚める。


なんと美央の服は肩が出ており、少し谷間が見える程まで開いていて、赤と白がうまい具合で使われている服を着ていたのだ。


「ふふ、サンタさんのコスプレです!」


美央は腕を組んで自身の胸を持ち上げ、強調する様に言う。


「サンタさんのコスプレって..どこでそんなの..」


「こっそり買っちゃいました!」


美央はそのまま嬉しそうにキッチンへ行き、コーヒーを持ってくる。


「あ!みやび君!プレゼントもありますよ!」


美央は思い出したように言う。


「へぇ、それは欲しいな」


一応俺もプレゼントを用意しているが、ひとまず美央のを見てからにしよう。


「はい!プレゼントはわ・た..」


「お、俺もプレゼントあるんだ‼︎」


その後の言葉は大体予想がつく。

美央が服を脱ごうとするので、俺は大声で美央を制止しながらプレゼントを持ってくる。


「ほら!これ見てくれよ!」


美央へ渡したのは1つのブレスレットだ。

特に宝石などはついていないが、銀色のデザインが美央に似合いそうで、プレゼントとして買ってきたのだ。

遥にも別のものをプレゼントとして買ってきたが、それはまた後で渡すことにしよう。


「...ありがとうございます!とっても嬉しいです!」


美央はブレスレットを見た途端、目を輝かせながらお礼を言う。


「あの、つけてみていいですか..?」


「ああ、いいよ」


美央はブレスレットをつけ、少し眺める。


「...嬉しいです」


そして、にこっと笑顔を俺に向けてくる。


「あ、ああ..喜んでもらえたならよかったよ..」


俺はそんな姿に不覚にも少しドキッとしてしまった。


「では私からもこれを..」


美央は部屋から箱を取り出してくる。

どうやらちゃんとしたプレゼントも用意してくれていたらしい。


「どうぞ!みやび君!」


見るとそれは長方形のお洒落な箱だった。


「ありがとう、開けていいか?」


「はい!」


俺はその箱を開けてみる。


「これは..」


中に入っていたのは1つのネクタイだった。


「おお..」


少し値段が高そうで俺には似合わなさそうだが、デザインはカッコいい。


「...あの..どうでしょう?」


美央は少し不安そうに聞いてくる。


「すごくいいな!ありがとな」


俺はそれをタンスにしまいながら、美央に感謝を告げる。


(また今度使ってみるか)


実際、このネクタイはかなり好きなデザインなので、どこかで使っていきたい。


「では今日は特に予定もないので、家でゆっくりしていましょうか?」


「そうだな」


俺はソファに座り、テレビを見るためリモコンを取る。


「うんしょっ」


すると美央も俺の隣に座る。


「何か面白いのやってますかね」


美央は俺の肩にもたれながらそんなことを言う。


「そうだな...」


俺がいくつかチャンネルを切り替えながら、テレビを見ている時


「みやび君、あれ取ってきてくれませんか?」


「ん?どれだ?」


美央が指差した方を見ても、何があるかわからない。

俺が何があるか見ようとするその時


「えいっ!」


美央は俺の体を思い切り引っ張る。


「なっ⁉︎」


そしてとっさのことで、俺はバランスを崩してしまい美央の方へ倒れてしまう。


「ふふ」


(ん?なんだこの感触は..?)


頭にふにょんと柔らかい感触を感じる。


「..みお?」

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