第65話 スキー合宿の夜

「⁉︎⁉︎」


私は眠る雅に抱きしめられながら、1人悶えていた。

私の耳元に雅の呼吸音は確かに聞こえ、その音と共に私の鼓動も加速する。


(ち、近いぃ..!)


ここまで近いと雅の匂いが勝手に鼻を刺激する。


「ん..みやび..」


私は聞こえないであろう雅の名前を呼ぶ。


「好き..好きだよ...みやび」


私は雅の匂いに包まれながら、少し目を瞑り考える。


(はぁ..本当にみやびが好き..だって一緒にいるだけでこんなに幸せな気持ちなれるんだもん...好きだよ、みやび、誰にも渡したくないよ...)


雅が好き...小さい頃からずっと一緒にいて、気づいたら好きになってた。

雅も遥のことが好き、ということに遥は薄々勘づいていた。


(やっと告白してくれたと思ったらいきなり許嫁がいる、なんて言われるし最悪だよ..でも絶対にみおには渡さないから..)


私は雅に抱きつき、眠りについていった。




「..ん?もうこんな時間か..」


俺が目を覚めた頃にはもう空が暗く、夜だった。


「はるか」


俺の上で眠っている遥を起こすため、軽く揺さぶる。


「んん..みやび..もう朝?」


遥は寝ぼけながら目を開き、俺を見る。


「スキー滑り行くか?」


「あ..行こ...か..」


遥は眠そうだが、スキーには行きたいようだ。


「んん〜..」


遥は少し起きる素振りをしたが、またすぐに横になってしまった。


「今日はもう寝るか?」


スキーにはまた来ればいい、と思い俺は遥に布団をかけてやる。


「え〜一緒にに滑りたい」


「また来れるさ」


「そか..じゃあ一緒に寝よ?..」


遥は納得した様子で、俺の服を引っ張りながら、少し俺のスペースを開けてくれる。


「そうだな..」


俺は美央が寝ているのを確認し、遥の隣に入る。


「えへへ..おやすみ..」


遥は俺の腕を抱きしめながら、嬉しそうに言う。


「おやすみ..はるか」


俺は遥の頭を軽く撫でてそう呟いた。

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