第64話 レスキュー隊

すーすーと寝息を立てながら、気持ちよさそうに眠るみやび君。

私はそんな可愛い寝顔を見て、癒されながら思います。


(みやび君の1番になりたいです..みやび君が悩んだり喜んだりする時は、いつも隣でいたい...だから、誰にも渡したく無い!)


私は今だけでも、という思いでみやび君の顔を抱きかかえ、自分の胸の中で抱きしめます。

そして私は少しの幸せを感じながら、ゆっくりと眠りについていきました。




(ぅん?)


朝、目が覚めるとなんだか息苦しさを感じる。

俺は目を開くが、なにも見えない。

唯一わかるのはそれが柔らかく、確かな弾力があることだけだ。


(なんだ?)


俺はクッションでもあるのかと思い、それをどける。


「っな⁉︎」


俺はそれが美央の胸だったということに気づき、一瞬で目が覚めてしまう。


「み、みお⁉︎」


「むぅ..?..あ、みやび君、おはようございまぁす..」


美央は眠い目を擦りながら起き上がる。


「いや..えっと、昨日の夜、何かあった?」


俺は美央に問い詰めてみる。


「んぇぇ?..なにもないですよぉ?」


美央は何故か、少し頬を緩ませながら答える。


(ほ、ほんとかよ..)




とりあえず俺たちは腹ごしらえをしないといけないため、ご飯を食べていると、小屋の扉が何者かに開けられる。


「おい!いたぞ!」


そこには、レスキュー隊と思われる人が数人入ってきた。


「助かりましたね!みやび君!」


「ああ..本当によかったよ」




そこからはレスキュー隊の人に連れられ、無事旅館に着くことができた。


「みやび‼︎」


旅館の前まで着くと遥が俺に飛びついてくる。


「心配したよぉ、ホントによかったぁ」


「ごめんな心配かけたな」


「ホントだよ!心配したんだから!...でも無事でよかった..」


遥は照れ臭そうに口を尖らせながら言う。


「ありがとな..」




「はぁ..なんだか疲れたな」


俺はベッドにダイブしながら呟く。


「そうですね」


美央も自分のベッドに横になる。

どうやら相当疲れているらしく、すぐに寝てしまった。


「ん〜!私は全然疲れてないよぉ!」


遥はレスキュー隊と一緒に俺たちを探していたそうだが、まだ体力は有り余っているようだ。


「ねぇみやび?滑りに行こう?」


遥は寂しそうな声色で俺に訴えかけてくる。


「ん..ちょっとだけ寝かせてくれ..」


俺はそう言うと布団の中へ入る。


「も〜お〜!遊ぼうよ〜!」


遥は俺の布団の中の体の上に乗りながら、構って欲しそうに言う。


「んー、1時間だけ..待って」


俺は遥の頭を軽く撫でてやりながらも、更に眠気が襲ってくる。


「ね〜え〜みやび〜、行こぉ?」


遥は可愛くお願いしてくるが、今はそんなことを気にしている余裕がない。


「..ん、わかった..行こう..な」


俺はそう言って、遥を抱き寄せながら、眠りに落ちてしまった。

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