冬休み編

第55話 2学期終了

「以上で2学期の終業式を終わります」


俺たちは2学期が終わり、冬休みに入った。

あれから、宮里は二週間の停学の後、特に俺たちに話しかけてくることもなく、無事2学期が終了した。


「冬休み入ったー!」


遥は解放された喜びで、手を大きく広げて言う。




「ねえみやび!冬休みの予定立てよー」


家に帰ると、遥はスマホを取り出し、俺の横に座りながら言う。


「そうだな」


「えーっとぉーそうだなぁー家でゆっくりする時間も欲しいよねー」


こんな感じで俺たちは冬休みの予定を決めていった。

ここでは秘密にするが。


「まずは大掃除するか」


「そうですね、先にしておいて損はありませんし」


「えー、もうするのー」


美央は早速掃除に取り掛かろうとするが、遥は面倒くさそうにしている。


「早くにやっておいた方がいいだろ?正月とかゆっくりできるし」


「うーん、そーだけどなんかやる気起きないー」


折角の休みに入ったのにいきなり掃除だったら、なかなかやる気は起きにくいものだろう。


「どうしたらやる気は起きるんだ?」


最悪、俺と美央でやるという手もあるが、3人の方が早く終わるので、できれば手伝ってもらいたい。


「..じゃあ、何かご褒美があった方がやる気が出るかも!」


「ご褒美?具体的には?」


「そうだなぁ..今は思いつかないから、終わってからでもいい?」


「ああ、それでいいよ」


俺が遥にご褒美をあげる事を約束すると


「みやび君、その..私もご褒美欲しいです」


美央は少し顔を赤くしてこっちを見ながら言う。


「ん?まあいいけど..」


「え⁉︎みやび?」


俺が美央の提案を了承すると、遥は驚いた様な声で俺を呼ぶ。


「みやび、みおにもご褒美するの?」


「まあ、はるかにもあげる約束したし、それくらいは気にする事じゃ無いんじゃ無いか?」


「そ、そうかなぁ..」


遥はいまいち納得いっていない様子だった。


「ところでみおは何が欲しいんだ?」


「わ、私は..その...」


美央はとても言いづらそうにしている。

一体何を望んでいるのだろうか。


「あ、頭を撫でて欲しいです..」


美央はそう言うと、恥ずかしそうに俯く。


「..え?頭?」


どんな恥ずかしい事を言うのだろうかと、少し覚悟していたが、拍子抜けだ。


「頭を撫でるだけでいいのか?」


「はい、お願いします..」


「まぁ、それくらいなら全然いいけど」


こうして、俺たちは少し早めの大掃除にかかることにした。

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