第56話 掃除準備

「流石に汚れると思いますので、服を着替えてきますね!」


美央はそう言って、一度自分の部屋へ入って行った。


「..はっ!みやび!私も着替えてくる!」


遥は何かを察したのか、大急ぎで部屋へと入って行った。



「おまたせ!」


しばらくすると、遥が着替え終わって戻ってくる。


「おう..ってなんだよその格好⁉︎」


そこには何故か水着を着た遥が立っていた。


「今から掃除をするんだぞ?なんで水着?」


「汚れてもいい服に着替えたの!それに私の推測が正しければ、みおもこれくらいしてくると思うし!」


遥はそう言うと、掃除道具を手に取る。


「お待たせしました!」


少し経つと今度は美央が戻ってくる。


「あれ?」


遥は美央の格好を見て首を傾げる。

さっき遥は美央もこれくらいしてくるだの言っていたが、美央の格好は至って普通である。

美央は汚れてもいいのであろうセーターを着ている。


「では、掃除を始めましょうか!」


「うぇっ⁉︎」


美央が俺の隣に来ると、遥が言っていたことを理解した。

実はそのセーターは前から見てもあまり分からないが、横のあたりから見ると、すぐに分かる。

そのセーターは後ろが大きく開いていて、非常にセクシーだ。

まさに美央が着ているのは、童◯を殺すセーターだった。


「み、みお!なんて格好してるんだよ!」


「はい?汚れてもいい服ですよ?まあ私の場合はみやび君の...でも...汚れてもいいですよ?」


一体俺の何なのだろうか。

美央は意味深な事を言って、唇の前に人差し指を立てながら、セクシーな雰囲気で誘惑してくる。


「お、おい、掃除をするんじゃ無いのか」


「...そうですね、ご褒美もあるわけですし、ひとまず掃除を済ませましょう」


美央は俺の反応に満足そうにして、雑巾を洗いに行く。


「む〜!」


俺も雑巾を洗いに行こうと思い、立ち上がると、遥が俺の腰に手を回し、抱きついてくる。


「どうした?」


「なんか私の時とみおの時の反応が違かった!」


遥は頬を膨らまして怒ったように言う。


「えー、そうか?」


そんなに反応が違うとは思わなかったが、遥にとっては違うように思ったのだろうか。


「そう!」


そんなに反応が違うとは思わなかったが、遥にとっては違うように見えたのだろうか。


「驚きが大きかっただけだよ」


俺は遥の頭を軽く撫でてやりながら言う。


「んー..そう?」


遥は嬉しそうに頬を緩めながらも、まだ怪しんでいるようだ。


「大丈夫だよ、な?」


「うーん、そうかな..」


「ああ」


俺は遥のことが好きだ。

だから美央の事を意識するはずがない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る