第50話 遥の余裕

そこからは30分程行為に及んだ。

途中で美央が帰ってきた音がしたが、俺たちは止める事ができなかった。


「み、みお、帰ってたのか..」


俺たちはリビングへ戻った。


「はい」


「おかえり!みお!」


遥は上機嫌で美央に言う。


「ただいまです..」


しかし、美央はいつもとは違い暗い様子だ。

おそらく俺たちのしている事に気づいたのだろう。


「あれー?みおはどうしてそんなに暗いのかなぁ〜?」


遥は美央に更に追い討ちをかける。


「くっ..別にいつもどうりですよ?」


美央は笑顔で言っているが、その笑顔は引きつっている。


「まあまあ、落ち着こうぜ?」


「みやび君が原因なんですよ!」


美央は大声で叫び俺を睨む。


「ご、ごめん」


「いえ、こっちこそ..ごめんなさい」


美央ははっとして、俺に謝る。


「みおちゃ〜ん、怒んないでよ〜」


遥は更に美央を煽る。


「..ま、まだこの先どうなるか分かりませんからね?」


「ふふふ、そうだといいね〜」


遥は余裕そうに笑いながら言う。


「っ〜⁉︎」


その時の美央は珍しく悔しそうな顔をしていた。

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