第49話 学校祭準備③

「みやび君、それとっていただけませんか?」


「これか?」


俺は近くにあった段ボールを美央に渡す。


「ありがとうございます」


そこから俺は、自分のやるべき作業を進めていった。

作業をしていると少し気になったことがある。

それは宮里が遥に近すぎるのだ。

少し距離が近いくらいなら特に気にならないが、宮里は遥の手を掴んだりしているのだ。


「氷室ちゃん、上手いじゃん!」


「そ、そうかなぁ..」


何気ない会話の中で、さりげなく手に触れたり


「ここはこうやった方がいいんじゃない?」


「う、うん..」


宮里が教えるような形で遥の手を掴んだりしている。


「みやび君」


俺が遥の方を見ていると、美央に呼ばれる。


「ん?どうかしたか?」


「気になりますか?宮里くんが」


「まあな、ちょっと距離が近すぎる気がする」


「あの人からは...少し危険な雰囲気がします..何故かわかりませんが..」


美央は少し難しい顔をしながら言う。





「なあ、宮里とはるかってなんか距離近くないか?」


家に帰ると、俺は遥に聞いてみることにした。


「実は私も思ってたんだよね..ちょっと近すぎるなぁって..」


「だよなぁ」


「はぁ..私みやび以外の男とはあんまり引っ付きたくないんだけどねぇ..」


そう言いながら、遥は俺に近づいてくる。


「っ⁉︎」


遥は俺に後ろから抱きつく。

その瞬間、遥の体が俺に押し当てられ、変な気分になってくる。


「ね!最近イチャイチャしてなかったよね?」


「そ、そうだな」


「今しよ..?」


遥は俺を見上げる形でお願いしてくる。

俺はその姿が可愛くて仕方がなかった。


「ああ、しよっか」


美央は今、夕飯の買い物に行っている。

遥と家で2人きりになるのは今しかない。


「ん...ちゅぅ..んまっ..はぅ..」


俺がソファーの上で遥を押し倒す形で遥にキスをする。


「他の男に目移りしないようにしないとな」


「みやび以外の男なんて興味ないよぉ..」


遥は甘えたような声で言い、再びキスを求めてくる。


「んぅ..ねぇみやび...」


遥は俺の頬に手を添える。


「久しぶりにしよ...?」


遥は少し期待している目で俺を見つめてくる。


「でもみおが...」


「..私の部屋行こ?」


遥のあまりの可愛さに俺は我慢の限界だった。


「ああ、行こうか」

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