第48話 学校祭準備②

「では、お化け屋敷の役割を決めます」


「みやびは何するの?みやびと一緒のにしたいなぁ」


役割決めが始まると、遥は俺に役割を聞いてくる。


「うーん、あんまり表立ってやったりとかはしたくないなぁ」


正直、俺にお客さんを驚かせることができるとは思えない。


「じゃあ小道具作りとかやる?」


「そうしようかな」


「うん、一緒にしようね」


「ああ」




「じゃあ、お化け役の人はこっちで裏方の人はあっちに集まってください!」


俺たちは裏方なので、言われた所に向かう。


「みやび君も裏方なんですね」


そこには美央もいた。


「あれ?みおはてっきりお化け役やるのかと思ってたけど、裏方なんだな」


「私にはあまりお化けは向いていない、と思ったので」


なるほど、たしかに美人な美央が驚かしてきても、あまり怖く感じないだろう。

むしろ追いかけられたい、と思う者も出てきそうだ。


「よう、神楽も裏方か!」


どうやら裏方には宮里もいるらしい。

宮里はなんとなくお化け役をやりそうなイメージだったが、そういうのはあまり好きではないのかもしれない。

宮里はその他にも何人かに声をかけている。

友達は多いのだろう。


「よお、みやび」


少しすると、誠治も近づいてくる。

どうやら誠治も裏方のようだ。


「おう、お前もこっちなのか」


「ああ、あまり表には立ちたくないからな」


誠治も俺と同じ理由らしい。




話し合いの結果、俺たちは道具を作る係となったので材料をもらい、早速作ることになった。


「みやびは何作るの?」


俺が作業にかかると、遥が笑顔で来てくれる。

作業の内容は

通路の壁

壁を塗る

お化けの衣装

などがある。

俺はその中の通路の壁を作るという係になっている。


「お化け屋敷の壁だよ」


「えぇー、私とは違うじゃん、私はお化けの衣装作る係になっちゃった..」


遥とは一緒に作ることができないらしい。

残念だ..


「みやび君!」


俺が作業に再び戻ろうとすると、美央が近づいてくる。


「みおじゃないか」


「私、みやび君と一緒の係なので一緒にしませんか?」


「そうなのか、じゃあ一緒にしようか」


俺としても1人寂しく作業をするより、誰かと喋りながらしたいので、俺はそれを承諾した。


「よかったです..では失礼しますね」


美央は少し安心した様子で俺の隣に座る。

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