第47話 学校祭準備①

体育祭は無事終了したが、次は学校祭が迫ってきている。

学校祭とは、各クラスで出し物をする年に一度の祭りだ。

そして、この学校では売上などで順位づけがされるらしい。


「では、このクラスでの学校祭の出し物や予算などを決めてくれ」


担任の柊朝香はそう言って、近くの椅子に腰掛ける。


「うん、じゃあ僕たちで決めようか」


すると、1人の男子生徒がそう言って立ち上がる。


「まず、なにをするかなんだけど、何かいい案はないかな?」


「はーい!お化け屋敷はー?」


「漫画喫茶とか?」


などの意見がいろいろ出る。


出た意見は

お化け屋敷

漫画喫茶

チョコバナナ屋

演劇

の4つにまで絞られた。


「じゃあ、この中からやりたいものを1つ選んで、投票してくれるかな」


そして、投票用の紙が配られる。


「みやびは何かしたいものある?」


ふと、隣に座っている遥がそんなことを聞いてくる。


「うーん、別になんでもいいかな」


「じゃあお化け屋敷にしない?」


遥はお化け屋敷がやりたいらしい。

俺としてはなんでもいいため、お化け屋敷に投票することにした。




「じゃあ、うちのクラスはお化け屋敷をします」


投票の結果、遥の望んだお化け屋敷となった。


「よし、今日はこの辺でいいだろう」


俺たちは予算なども決め、その日は下校となった。





「はぁ..お化け屋敷です」


帰り道、美央が不満そうに呟く。


「みおは何がやりたかったんだ?」


「私は演劇がやりたかったです、みやび君が王子様で私がお姫様という設定のやつですかね」


美央は少し悔しそうにそう言った。


「そんなの誰にも人気でないだろ..」




「おはよう、神楽」


翌日、俺が席に着くと声をかけられる。


「おう、宮里」


この男子生徒は宮里勇政(みやざとゆうせい)俺の最近できた友達だ。

陸上部に入っているが、そこまで結果は残せていないようだ。


「今日はお化け屋敷の役割を決めるらしいぜ、神楽は何にするんだ?」


「さあな、まだきめてないな」


「お、氷室ちゃん、おはよう」


「お、おはよう、宮里くん..」


宮里は俺の返答を無視して、遥の方へ行ってしまった。

気のせいかもしれないが、宮里は遥との距離を無理に縮めようとしているように見える。


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