第38話 来たる体育祭

「あ〜遂に夏休みも終わりか〜」


残念そうにそう言ったのは遥だ。

夏休みが終わり、今日から学校がある。

「まあかなり充実したんじゃないか?」

あれからバイトは、夏休みが終わるまでやり遂げた。

ちなみに遥と交わることは、あれ以来していない。

しようとしても、隣に美央がいる、ということで少し羞恥心が勝ってしまう。


校長先生の長い話が終わり、俺たちは教室に入る。


「えーっと夏休み明けだというのに、休みが0ということを先生は嬉しく思う」


担任の柊朝香がそう言って、出席をとっていく。

「では、一限目は体育祭のことについて話す」

そう言って、朝香は体育祭の競技を並べていく。

100m走 200m走 200mリレー

クラス対抗リレー 障害物競走

など定番のものばかりだ。


「自分が出たいと思った競技を1人2つ選んでくれ」


生徒たちにその競技の下に名前を書かせる。


「ねぇ、みやびはなにするの?」


俺も書きに行こうとすると、遥が俺に聞いてくる。


「そうだな、俺は100m走ともう1つどれかだな」


「じゃあ200mリレー一緒に出ない?」


遥はそんなことを提案してくる。


「ん、じゃあそうするか」




俺は100m走と200mリレーを選ぶことにした。


「よし、全員書いたな、ではいまから人数制限があるため、何人かに絞り込まないといけない」


そう言って言われたのは

「200mリレーは人数が2人多い、話し合うかじゃんけんとかで決めてくれ」

と言われ、俺たちは集まることにした。


「普通にじゃんけんでよくないか?」


と、1人の男子生徒が言う。


「うん、それでいいよ」


他のみんなも賛成のようだ。


「みやび君も200mリレーなんですね」


すると、美央も200mリレーだったようで、俺に声をかけてくる。


「みおじゃないか、一緒だったんだな」


「はい、そうみたいですね」


美央に気づいた遥は


「くっ、このじゃんけん絶対負けられない」


と、気合を入れている。


「じゃあいくぞ」


「「じゃんけーんぽん!」」


結果は遥ともう1人が負け、というものになってしまった。


「あぁぁぁぁ!!」


遥は随分と落ち込んでいるようだ。

遥は結局、クラス対抗リレーを誰もやりたがらない、ということでそれに出ることにした。

俺は100m走と200mリレー、遥は友達と二人三脚、クラス対抗リレー、美央は200mリレー、障害物競走のようだ。


「よし、全員決まったな、後は自由にしてくれていい、教室からは出るなよ」


その後は自由時間となった。


「あーあ、みやびと一緒がよかったなぁ」


遥が嘆いている。


「まあいいんじゃないか?別に一緒にいれないわけじゃないし」


「えぇーまあそうだけどさぁ、みおと一緒ってのがなぁ..」


「ふふ、みやび君一緒に頑張りましょうね」


遥が落ち込んでいると、美央が声をかけてくる。


「あ、ああ」


「あんた、みやびになんかしたら承知しないからね!」


遥は警戒心剥き出しで言う。


「ふふ、そんなことしませんよ、ただ...」


美央はそのまま俺に近づき


「みやび君が我慢できずに襲っちゃうかもしれません...」


美央は胸元を少し開き、谷間を見せつけてくる。


「な⁉︎するわけないだろ!」


俺は焦って大声を上げる。


「ふふ、どうでしょうか」


美央はいたずらな笑みを浮かべながら言う。

(な、なんか最近過激すぎないか?...)



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