第36話 遥と○○○○○

「着いたよ!」

「こ、ここって...」

俺は遥に手を引かれ、ある場所に連れてこられていた。

「は、はるか?本当にここであってるのか?」

俺は戸惑いながら、遥に聞く。

「うん!さ、行こ行こ」

「え?ちょっ」

俺は遥に促されるまま、中に入る。

「な、なんでホテルに来たんだよ?」

そう、今雅たちがいる場所は、ホテルの一室なのだ。

しかも、そのホテルは普通のホテルではなく、男女がそういう行為をするためのところなのだ。

「いいじゃん、みおとだってホテルきたでしょ?」

「そ、そうだけど...」

「じゃあ早速、ご飯食べよっか?」

と言って、遥と俺は近くのコンビニへ、食べ物を買いに来た。

「これと..これとーこれ!」

遥は自分が食べるおにぎりなどを選んでいく。

「あ!あと..これも...?」

遥は少し照れた様子で俺を見てくる。

「おいっ⁉︎これって...」

遥が指差したものを見ると、それはいわゆる避妊具と呼ばれるものだったのだ。

「い、いるよね..うん..」

と言って、遥はそれを取ろうとする。

「は、はるか⁉︎」

俺は思わず遥の手を止めてしまう。

「し、しないの..?」

その期待と不安が入り混じった目に、俺は思わず力を抜いてしまう。

「じゃあ!お会計してもらおっか!」

と言って、遥は俺の手を引いてレジへ向かう。

「ああ...」



そして俺たちは再びホテルに戻った。

「...」

「...」

俺たちに少し沈黙が流れる。

俺はチラリと遥を横目で見る。

遥は顔を赤くし、少し俯いている。

しばらくすると俺の視線に気付いたのか、遥も少しだけこちらを向き

「と、とりあえずお風呂入ろっか!」

と言って、遥は立ち上がる。

「どっちから入る?」

遥は俺を見ながら聞いてくる。

「先に入ってきていいよ」

俺は遥に先に入るよう、促す。

「うん..じゃあ..」

と言って、遥は脱衣所へ向かった。



「はぁぁ...」

お風呂に浸かった私は、この後することを想像し、少し体が火照ってしまう。

(私、いまからみやびとエ..エッチするんだ...)

私は雅の顔を思い浮かべる。

実はこれは遥の姉、春菜が提案してきた案だった。

バイトをしている知り合いがいる。ということで雅と2人きりになり、その帰りにホテルに誘うというものだった。

遥はそういう行為をまだしたことがないので、無理矢理誘ってしてしまおう。という春菜の作戦だったのだ。

(はぁ..ついにしちゃうんだ..)

私は胸の鼓動が早くなるのを感じながら、

丁寧に体を洗い、そのままお風呂から上がる。



しばらくすると、遥が風呂からあがってきた。

「じゃ、じゃあ次..どうぞ..」

遥は改まった様子で、俺に風呂に入るよう促す。

その水に濡れた姿はとても美しく、心臓の鼓動がはっきりと聞こえるほど雅の心は高鳴っていた。

「あ、ああ...」


「ふぅぅぅ」

湯船に浸かった俺は、思わず長いため息を吐く。

まさかバイト帰りにホテルに誘われるなんて、思ってもいなかった。

それに、この後遥とそういう行為をすると思うと、胸の高鳴りが抑えられない。

今はお互い大人へと近づいているので、より一層雅はドキドキしてしまっている。

(ついに..ついにするのか...)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る