第19話 林間学校3日目(午前)
3日目、俺たちは寮の近くの博物館に来ている。
「集合時間になったらこっちに戻ってくる様に!」
と、教師は言い博物館の外へ出て行く。
「はい、ではC班の人はこちらへどうぞー」
と、スタッフに言われる。
「ここでもC班とか関係あるのか?」
と、俺が呟く。
「えー最悪...」
と、遥は怠そうにする。
俺たちはそのスタッフの近くに集まる。
か
「よう」
と、阿部が声をかけてくる。
「ああ..」
遥をナンパしているのを見ているので、流石に警戒せざるを得ない。
俺たちはスタッフの人に博物館を案内してもらう。
しばらく案内してもらっていると、
「一度休憩しようか」
と、スタッフの人に言われる。
「じゃあ、少しお手洗いに」
俺はトイレに行く。
「ふぅ」
トイレから出た俺を何人かが囲む。
どうやら阿部の取り巻き達だ。
(阿部は..)
どうやら阿部だけがいないらしい。
「俺になんか用か?」
と、俺が聞く。
「ああ、ちょっと話でもしようかと思ってな」
おそらく美央や遥の所にはスタッフの人がいるため大丈夫なはずだ。
そうなると余計にこいつらの意図がわからない。
「何の話だ?」
「んーそうだな..今日の予定とか?」
「は?」
「いや!えっと、何すんのかなって..」
「なんでそんなこと聞くんだ?」
「え⁉︎いや..それは..」
俺が聞くと取り巻きは焦る。
おそらく今日、何か仕掛けてくるのだろう。
そのために俺の予定を把握しておきたいと言った所か。
「俺は今日は寮に帰ったら、とくに何もする予定はないぞ?」
「そ、そうか..でも夜はお前の女と会うのか?」
おそらく遥の事を言っているのだろう。
「その予定は無いな」
と、俺が言うと
「そ、そうか、じゃあな」
と言って、走って戻って行く。
「...」
博物館から帰ってきた俺たちは、午後からのプログラムはなく自由時間なので寮でゴロゴロしている。
「なぁ誠司、なんか面白いことないか?」
と、誠司に尋ねる。
「んなもん俺に聞くな、遥ちゃんとでも遊んできたらどうだ?」
「うーん、そうするかなぁ..」
「そういや阿部とかいうやつは、もう対処したのか?」
と、誠司が聞いてくる。
「ん?ああ、まだだな」
「いいのか?遥ちゃん1人にして」
「流石に女子寮には入っていかないさ、それに...もうじき終わる...」
と、俺は呟く。
「ふぅ」
私こと、氷室遥はトイレから出ると一息つく。
すると、向こうから美央がくる。
私は特に気にせずに通り過ぎようとする。
しかし
「あの、遥さん」
と、声を掛けられる。
私は美央の方を向く。
「何?」
「少しお時間よろしいですか?」
と、私に聞いてくる。
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