林間学校編

第14話 林間学校スタート!

「雅、一緒に班作るよね?」

「雅くん、一緒の班になりませんか?」

と、遥と美央が同時に俺に言う。

「は?」「はい?」

と、2人は睨み合う。

(おいおい..)

「私でいいでしょ⁉︎彼女なんだし!!」

「私は将来、雅くんと結婚します!!」

「はぁ?まだそんな事言ってんの⁉︎」

と、遥と美央が言い合う。

この2人はかなりの美少女だ、そんな子が1人の男子を取り合ってるとなると、他の男子からの憎悪の目がやばい。

「はぁ、もう3人で組めばよく無い?」

と、俺が言う。

「それは..いや、ダメでしょ!」

「そうですよ!私が組めばいいんです!」

(はぁ、俺としては班が決まるだけでいいんだが...)

陰キャにとっては班が決まる所が一つの山場でもある。

まぁ今の状況は陰キャでもなんでも無いんだが..

「いや〜モテる男子は困りますねぇ〜」

俺が決まるのを待っていると、誠司が話しかけてくる。

「ははっ、そうかもな..所でお前、班決まったの?」

と、俺は誠司に聞く。

「決まってると思うか?」

「いや、無いな、班が決まってたら俺に話しかけてこないだろうし」

「わかってんじゃねぇか、てことで入れて下さいお願いします」

と、誠司が頭を下げてくる。

「まぁ、この話し合いが終わったらな」

「ありがとうございます!」

誠司が再び頭を下げてくる。

一方、遥達の口論はまだ終わる気配がない。

「はぁ」

と、ため息を吐きながら、俺は席を立ち先生の所に行く。

「班決まりました」

そして俺は美央と遥と誠司の名前を言い、席に戻る。

「たった今先生に伝えてきたぞ」

「え?雅?何を伝えたの?」

「遥と美央と誠司と俺で班作ったって」

すると、遥と美央は唖然とする。

「何してんの雅⁉︎」

「何やってるんですか雅くん⁉︎」

と、2人に詰め寄られる。

「ごめんって、でもこうでもしないと終わんなかっただろ?」

「うーん、まあ..じゃあこれでいっか..」

「そう..ですね..はぁ..雅くんと2人きりがよかった..」



「いやーついにこの時がきたなぁ、雅!」

と、俺の横で誠司がはしゃいでいる。

「そうだな」

俺たちは今、新幹線で林間学校の宿泊施設まで行くところだ。

席は俺の隣に誠司、その後ろの席に遥と美央だ。

ちなみに席は3人ずつ座れるが4人班ということで2人ずつ座る事にした。

「ねぇ雅ーこっちきてよー」

と、遥が俺に言う。

「前後でも話せるだろ?」

「いや、そういう問題じゃなくてさ..」

と、遥が悲しそうに言う。

「行ってやったら?」

と、誠司が言う。

「うーん、じゃあちょっとだけ」

と、俺が席を立つ。

そして、ふと横の班を見ると、その班は全員男子の班の様だ。

(怖⁉︎)

なんと、その班の全員が俺を睨み付けているのだ。

「雅、はーやーくー!」

と、遥が急かしてくるので俺はさっさと遥達の所に行く。

「ん、きたぞ」

と、言いながら空いている席に座る。

すると、隣に座っている美央が

「雅くん..」

と、言いながら、俺の手に自分の手を重ね、そのまま、耳を刺激してくる。

「くぁっ、お、おい!美央⁉︎」

「ちょっとアンタ何やってんの⁉︎」

と、遥が席を立つ。

そして、俺の膝の上に座る。

向かい合わせの状態で

「もぅ、雅は私のなんだから!」

と、遥は美央に言い、そのまま俺の頭を自分の胸に埋める。

小柄だがたしかに柔らかい、そして、いい匂いもする。

はぁ..最高..ずっとこのままがいいなぁ

「おい、お前たち何やってんだ!」

俺が遥の胸を堪能していると、担任の柊朝香がくる。

「すみません..」

と、遥が俺の頭を胸から離しながら言う。

(ああ、まって、行かないでくれ!)

と、思いつつも、俺は席へ戻った。

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