第13話 中間考査

高校に入学して約1ヶ月半、俺たちは1つの山場を迎えていた。

「来週から中間考査だ、まぁなんだ、みんな頑張れ」

と、担任が言う。

そう、中間考査である。

「なぁ、クラス全員で勉強会しようぜ!」

と、クラスの陽キャが言い出す。


勉強会は、サイ○リアでする事になった。

俺は遥達のグループに混ざる。

因みに誠司は、お前のグループは女子しかいないから、と言って少し離れた所に何人かといる。

そして、俺たちは飲み物を頼み、勉強を始める。

「雅くん、わからない所はないですか?」

と、美央が俺に聞いてくる。

因みに美央の席は、俺の隣だ3人横に座れる席で左が美央、右が遥だ。

「いや、まだ特に無いかな」

と、俺が返す。

「そうですか、分からない所があったらいつでも聞いてくださいね!」

と、美央が言ってくれる。

「ああ、ありがとう」

そして、勉強を再開する。

美央はかなり勉強が出来るらしく、クラスの人達に分からない所を教えていた。

一方、遥は自分の問題集を解くのに精一杯の様だ。

「雅、そっちのジュース頂戴!」

と、遥が急に言う。

「ん、じゃあ交換な」

「うん」

俺たちは、互いのジュースを交換する。

「な、なんかちょっと緊張するね..その..間接キス..」

遥は少し頬を赤くしながら言う。

「そ...そう..だな...」

俺は先程まで遥が飲んでいたジュースを口へ運ぶ。

(..普通に美味い)

「美味しいね..」

と、遥が言う。

「ああ..そう..だな」

「おうおう、見せつけてくんね〜」

と、遥の友人らしき女の子が言ってくる。

「ふふっ、まあね〜!」

と、遥もそれに乗る。


「はあ〜疲れた〜」

クラスの勉強会が終わり、俺たちは家に帰ってきた。

俺はそのまま布団にダイブする。

俺はあまり勉強をするタイプでは無い、いわゆる一夜漬けタイプだ。

「雅くん、お風呂は...」

と、美央が聞いてくる。

「うーん、明日の朝入るよ」

俺はそのまま眠りについた。


次の日、

「よし、今日も勉強会だ!来れるやつは来いよ!!」

と、クラスの陽キャが言う。

俺は真っ先に教室の出口へと向かう。

すると、

「おいおい、そこの君!もちろん勉強会参加するよな?」

と、陽キャが俺に近づいてくる。

(あの...これって強制参加でしたっけ?)

そして、俺は中間考査の日まで、毎日参加させられた...


テストが終了し、俺は結果を見に行く。

うちの学校は上位20名が張り出される。

結果表の周りには沢山の人集りが出来ている。

「雅、自信ある?」

と、遥が聞いてくる。

「まぁ微妙だな、遥は?」

と、俺が聞き返す。

「私は全然ダメだったなぁ〜」

などと会話をしていると、徐々に結果が見える位置までくる。

1位 白雪美央 

おお、美央って相当頭いいんだな。

俺は..

「ええ⁉︎雅すごいじゃん!!」

と、遥が言う。

そこには

2位 神楽雅

と、書かれていた。

「なんで⁉︎雅、毎回私と大差なかったじゃん!」

そう、俺は中学の頃、毎回クラスの真ん中くらいである。

今回なぜこんなに順位が高いかと言うと、多分勉強会のおかげだろう、雅は毎回テストの時は一夜漬けのみで受ける。しかし今回はテストの一週間前から勉強をした。雅は一夜漬けの勉強の要領しかやったことがないため、今回はこの点数になったのだろう。

すると、

「よお、神楽!」

と、後ろから声がかかる。

「久しぶりだな、平塚」

そこには平塚恭弥がいた。

「お前、あんな強さで、頭もいいのかよ!」

「別に大した事はない、所であれから暴力は..」

俺は振るってないか、聞こうとする。

「わーってるよ約束は守る、じゃな!」

と、平塚は相棒のジョニーを連れて行く。

「あれ?雅って平塚と仲良くなったの?」

と、会話を聞いていた遥が俺に聞く。

「んー、仲良くはなってないかな」

「へぇー」


「中間考査お疲れ様、良い成績でも気は抜くな?悪かったやつは反省を次に活かせ?」

と、俺たちの担任の柊朝香が言う。

「そして、お前達が待ちに待った、林間学校が1ヶ月後にある、ということで、今から班決めをする」

「...」

(別に待ちに待ってないんだが?)

林間学校というか、どこかに泊まるという行事は陽キャが騒ぎ倒し、陰キャは陰でコソコソ楽しむイメージだ(偏見)

「班は4人1組だ、じゃあ勝手に作って私に報告してくれ」

と、俺たちに丸投げする。

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