第11話 遥とのデート
平塚との勝負に決着がついた後、俺は校門を出る。
「あ、やっと来た!」
と、遥が側に駆け寄ってくる。
「遥?もしかして待っててくれたのか?」
「うん!もちろん!」
と、遥は笑顔で言う。
(やべぇ超可愛い、癒される)
「じゃあ、帰るか」
「うん、の前に..その...すること..あるでしょ...」
と、遥が顔を真っ赤に染めながら目を瞑る。
「すること?ああ」
と、雅が言いながら遥と唇を重ねた。
「はぁ、ふふっ幸せ」
と、遥が屈託のない笑みを浮かべる。
そして、俺たちは帰路につく。
「そういえば、勝負の事は聞かないんだな」
「まぁ、大体分かるよ」
「はは、そっか」
雅は笑いながらそう言った
翌日、俺は遥とこの町で1番大きいショッピングモールに来ていた。
「よーし!今日は思いっきり楽しもうね!」
遥は笑顔でそう言う。
「おう!そうだな!」
雅も笑いながら言う。
最初に俺たちが来たのはゲームセンターだった。
「勝った方が昼ご飯奢りにしよ!」
と、遥に言われる。
「おう、いいぞ」
結果は俺の完敗だった。
なにしろ遥はゲームがうますぎるのだ、小さい頃から雅はゲームでは、一度も勝ったことがないくらいだ。
「はぁぁ..強すぎない?」
雅はため息をつきながら言う。
「あははは、でも分かってたでしょ?」
と、遥が笑いながら言う。
そして、俺たちは昼ご飯を食べにカフェに行った。
俺はサンドウィッチを頼む。
「お、おい!頼みすぎだろ⁉︎」
遥はざっと見るだけでも8品は頼んでいる。
「いいじゃ〜ん!雅の奢りだし!」
「おいおい」
「ほら、あ〜ん」
と、遥が俺の口にスプーンを向けてくる。
「おい、それでご機嫌取ろうとしてるだろ」
「あはは〜バレたか」
遥は笑いながら舌をペロッと出す。
(くそっ、可愛いことしやがって)
そう思いながらも雅はあ〜んしてもらうのであった。
次に行く所は俺もまだ知らされていない。
「なぁ、そろそろ教えてくれてもいいだろ?」
と、俺が遥に言う。
「んーもうすぐ着くよ!」
そう言われ少しすると、
「着いたよ!」
「え?ここって...」
俺は、遥が行こうとしているらしい、店を見る。
「水着じゃねぇか⁉︎⁉︎」
なんと、遥が連れてきたのは水着が売っている場所なのだ。
「うん!そうだよ?だって夏休みになったら海行くでしょ?」
と、遥は笑顔で言ってくる。
「まだ夏休み先だろ?」
と、俺が問う。
「でも早く準備したいじゃん」
「そういうものか?」
「うん!だから行くよ!」
と、遥は俺の腕を引っ張る。
(気まずい...)
俺は今遥の試着をで待っている、ということは、女性用の店に1人でいることになる、それがどれほど気まずいことか...
(早く着替えてくれ〜)
と、祈っていると、
「なるほど、そうなんですね」
「そうだよ、美央ちゃん」
と、何やら聞き覚えのある声が聞こえる。
「あれ?美央?」
「あ、雅くん!」
と、美央がこっちに駆け寄ってくる。
「雅くんも水着を買いに来たんですか?」
と、美央が聞いてくる。
「いやここ女性用だろ、遥を待ってるんだよ」
と言うと美央は
「そうですか..」
と、残念そうに言う。
(おいおい、そんな顔すんなよ)
「やっぱ神楽くん、遥とラブラブなんだね!」
と、美央と一緒にいた子から言われる。
「う、うん、まあね」
「ところで美央達は何しに来たんだ?」
と、聞いてみる。
すると、その中の1人が
「私たちも水着買いに来たんだよ!」
と、言った。
(みんな気が早くないか⁉︎)
「おーい雅〜こっち来て〜」
と、遥が俺を呼ぶ。
おそらく美央達の声が聞こえたのだろう。
そして、俺は遥の個室の前に立つ。
「来たぞー」
と、言うと中から遥が顔を覗かせる。
「..美央達来てるんでしょ...?」
と、美央達に気づかれないくらいの声で言う。
「ん?ああいるよ」
「やっぱり...」
と遥は言うと、
「入ってきて」
と、言い腕を引っ張って中に連れ込まれる。
「お、おい⁉︎流石にまずいだろ⁉︎」
俺が焦って出ようとすると、遥に腕を掴まれる。そして、
「折角のデートなのに邪魔されたくないじゃん...」
(可愛いなぁおい⁉︎)
「もう少しだけ...いてよ?」
遥が赤い顔をしてそんなことを言う。
「わ、分かったよ」
「じゃ、じゃあ着替えるから..」
と、赤い顔して言う。
「まだ着替えて無かったのか?」
「うん、だって着替えようと思ったら声が聞こえてきて...」
「じゃあ、今から着替えるの?」
「う..うん」
と、遥は恥ずかしそうに言う。
「恥ずかしいなら俺、出てもいいけど」
と、雅が提案するが
「それはだめ!!!」
と、遥は強く拒否する。
「そ、そうか」
そして、遥が服を脱ぎだしたので、俺は遥と反対側を向く。
するっ...すっ...
衣服と肌が擦れる音がする。
(..おいおい、やばいって..)
「ん、終わったよ!」
と、遥が言うので俺は遥の方を見る。
「ふえっ⁉︎⁉︎」
見るとそこには黒髪によく似合う、白色のフリル付きの控えめな胸に似合う水着を着た遥がいた。
(やっべぇぇぇエロ可愛いんですけどぉぉ⁉︎)
「くくくっ雅、ふえっ⁉︎⁉︎ってなに?ふえっ⁉︎⁉︎って」
と、遥が腹を抱えて笑っている。
「..しゃーねーだろ」
「まあ、確かにしゃーないね〜、彼女にこんな可愛い姿見せられたらねぇ〜」
と、遥がニヤニヤしながら言う。
(まずい...調子に乗らせてしまった..)
「ねぇ?可愛い?ねぇねぇ」
と、遥が言ってくる。
「可愛いよ...」
(あ〜恥ずかしい〜)
と言うと、遥は満足した様に、えへへ、と笑う。
そして、俺はしばらく、その姿をみる。
(この格好した遥と海か、早くいきてぇ)
「もう..見過ぎだよ...えっち..」
と、遥は顔を赤くして言ってくる。
「あ、ごめ..」
やばい、見惚れすぎた。
「まあ..いいけど..」
と、遥は小さな声で言ってくる。
いちいち仕草が可愛いんだよなぁ...
遥の水着も決まったので俺が先に更衣室を出る。
(てか、女性用の店の更衣室から出てくるとかやばい奴じゃん⁉︎)
俺は周りを確認しながら出る。
しかし、美央達はもう水着を買ったのか、もういなくなっていた。
遥とのデートも終わり、俺たちは家に帰った。
家に帰ると風呂場から水音が聞こえる。
おそらく、美央が入っているのだろう。
その間に遥がご飯を作る。
すると、
「いやーーー!!!」
と、風呂場から悲鳴が聞こえる。
「どうした⁉︎」
と、俺が少し声を大きくして言う。
すると、脱衣所からタオル一枚の美央が飛び出して来た。
「お、おい⁉︎」
と、俺は戸惑う。
「み、雅くん!助けてください、クモ、クモが!」
と、美央が涙目になって言ってくる。
「クモ?」
「はい、お風呂場にクモがいるんです!お願いします、助けて下さい」
と美央は言い、俺に抱きついてくる。
(お、おい当たってんぞ色々..)
とりあえずクモが出たらしいので風呂場に行ってみることにする。
「どこだ?」
と、俺が聞く。
「あそこです!」
と、美央が指差す。
そこを見てみると、何かが動いている。
あれか..
そして、俺は、持ってきた新聞紙の上に、乗せて外に出す。
「ほら、これで平気だ」
と、俺が言うと、美央が
「あの、まだ少し怖いので..一緒に入って貰えませんか...?」
と、言ってくる。
「...へ?」
「だめ...ですか..?」
と、甘えた声で美央は言う。
「だ..だめだろ..俺..彼女いるし...」
美央はかなりの美少女だ、そんな子が俺と一緒に風呂に入りたがっている、まず普通の男子なら喜んで一緒に入るだろう...くっどうすれば...
「お願いします」
と、美央は少し顔を赤く染めて言ってくる。
(ど、どうする⁉︎俺⁉︎)
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