第4話 高校生活の始まり

入学式の会場に着いた俺たちは、言われた席について入学式の話を聞いていた。


「えー、新入生のみなさん---」


学校長の話や生徒会などの話を聞いていた。


「続いては、新入生代表、白雪美央」


「はい」


(え?)

なんとそこには、俺の許嫁であり同居人でもある子が立っていたのだ。


「新入生代表の、白雪美央です。」


美央は天使のような笑顔を浮かべながらそこに立っていた。

そして、今後の目標などを言って最後に


「ありがとうございました。」


美央は軽く礼をして、また天使のような笑顔でステージを降りたのであった。



入学式を終えた俺は、遥と合流して一緒に教室に向かっていた。


「にしても、美央が新入生代表として出てきた時はびっくりしたな」


「そうだね、あんな憎たらしい笑みなんか浮かべちゃって、私の横の男の子なんかずっとニヤニヤしてたんだけど」


「は...はは」


(いや、やばい奴じゃねーか)


「み、雅は...あいつのこと...好きになったりしないよね?」


遥は上目遣いでまじまじと見つめてきながら聞いてくる。

(ふぅ、俺の彼女が可愛すぎて辛いぜ)


「ああ、もちろん」


「だよね..よかった!」


遥はさっきの美央に負けないくらい(俺の中では勝っている)の笑顔で言われた。

俺は密かにこの気持ちを叫んだ。



俺たちは座席表を確認し、教室に入って行く。


「よっしゃ、俺たち隣の席じゃん!」


なんと俺たちは、隣の席だった。

(こんなミラクルあっていいのか⁉︎)


「本当だ!...げっあいつも近くに居るじゃん」


「あいつ?」


「ほら、美央のこと」


「あー」

言われて見てみると美央は俺の席の前だった



席に着いて遥と喋っていると、


「おい、あの子が来たぞ!」


と、1人の男子が廊下の方を指差して言うと


「「おーーーー!!!」」


と、いくらかの男子が盛り上がる。


「なんだ?」


「さあ?何だろう?」


俺たちが廊下の方を見てみると、1つの人集りが出来ていた。

俺たちもそちらを見てみるとその中には


「あ、あの、そういうのは...」


大勢に言い寄られている白雪美央がいた。

美央と俺は一瞬目があった気がしたが、すぐに先生が来てその場は解散となった。




教室に戻った後、先生の自己紹介が始まった。


「えー、今日からこのクラスの担任となった柊朝香(ひいらぎあさか)です。えーと、まずは自己紹介としては...」


などの先生(女)の自己紹介をした。


「では、次は先生、まだ君たちの名前は把握できてないので自己紹介をお願いしたい。席の順番で1人ずつ頼む」


と、柊が言う。

(うわ、最悪だ)

俺は大勢の前で発言するのは苦手だ

席順で行くと俺は12番目になる。

こうしているうちにもどんどん自己紹介が終わっていく。

そして、俺の席の前の美央が自己紹介を終える。

(とうとう俺の番か)俺は立ち上がる。


「えーと、神楽雅です...」


(まずい、何を言えばいいかわからん)


「...えーと..」


俺が戸惑っていると


「雅くんの趣味は何ですか?」


美央が前から笑顔で聞いてくる。


「あー、趣味はゲームかな」


他にも色々聞かれながらなんとか自己紹介を終えた。

(美央が助けてくれたんだな、後でお礼を言わなきゃだな)

自己紹介を聞いていると俺みたいに詰まった人に助け舟を出している様だった。

(普通にいい子なんだな)

俺を惚れさせるだの同居するだのおかしな子かと少し思っていたが見る目が変わった。

一通り自己紹介が終わり俺たちは帰ることになった。


「遥、帰ろうぜ」


「うん!...すごい人気だね」


遥の目線を追うとそこには美央がいた。

美央の周りは、沢山の人集りが出来ている。

(すっげぇ人気だな)

美央は人当たりが良くとても美人でスタイルもいい、入学早々すごい人気だ。


「もー、美央のこと見過ぎ!ほら、帰るよ!」


「あ、ああ」


美央に言われて俺たちは帰路に着いた。


帰り道、家へ向かっていると、


「ねね、手、繋ごうよ!」


と、遥が提案してくる。


「ああ、繋ごうか」


俺はその言葉に同意する。


「なんか恋人として手を繋ぐのって初めてだよね!」


俺たちは遊びに行く時に繋いだりするが恋人として繋ぐのは初めてだったりする。


「そうだな、なんか緊張するな」


「ふふっ、そうだね」


遥が嬉しそうに笑顔で頷く。

ああ、俺は本当にこの子が..遥のことが好きなんだな、と改めて実感したのであった。

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