目の前で焼いてもらうお好み焼きと焼きそばは、罪の味
カロリーネさん作の、鉄板焼きができあがりました。
「シスター・クリスさま、このままで、おめしあがりください」
なんと、鉄板の上に乗せたまま食べるスタイルだそうで。保温になっているので、焦げついいたりしないとのこと。
焼いた状態だから、ソースの香ばしさが凄まじいですね。
「いただきます」
まずはソースたっぷりの焼きそばから。おおお、ストレート麺なのですね?
「うん、
なんたる瑞々しさ。もっとカラカラになった、ボソボソ麺かと思いました。それもそれで、味わい深いです。
とはいえ、このしっとり感はたまりませんね。重量感がありますよ。
お腹にズシンと、的確なボディブローを食らわしてきます。おソースがいいのでしょうか? これは止まりません。
続いてイカを。うん、
イカの切り身は、ゲソまで入っていますね。こちらも、コリッコリしておいしいです。
また焼いている状態だからか、お野菜は程よいクッタクタですね。これもまた水分がいい具合に飛んで、味が濃くなっています。ソースと一体化したといいますか。
なにもかもが計算しつくされた、脳をダメにする焼きそばです。ダメでしょこれは。おいしすぎます。
次に、豚玉をいただきましょう。コテで目玉焼きごと切っちゃいます。熱々をお口に運んで。
「うふふ、
目玉焼きは、大正解です。ソースのキツイ酸味を、うまい具合に中和してくれました。
ブタのバラがカリッカリで、ベーコンのような味わいに。
そこへソースですから、美味しいに決まっていますね。
焼きそばがシーフードでしたので、こちらはシンプルに豚肉とキャベツだけで勝負しています。潔いですね。
山芋も入っていて、おこげ感アリの香ばしさの上に食感がトロトロという独特の風味です。これはクセになりますね。
「目玉焼きだけで召し上がる方も、いらっしゃいますのよ」
同じメニューを食べていたウル王女が、横から声をかけてきました。
「そんなメニューが」
「安くて、エールに合うんですよ」
カロリーネさんいわく、「女性がターゲットなので、ヘルシーメニューを考案した結果できあがった」のだとか。
「へえ。では、それもいただきます」
「お待ち下さい」
あっという間にでき上がりました。少量のお好み焼きに、潰した目玉焼きを挟むだけです。ほかは、何も入っていません。
どれどれ。
「あっ、うっふ
思わず、笑いが飛び出してしまいました。
具が何も入っていないのに、予想外のおいしさです。
「えーっ。こんなにおいしくなるんですね?」
おそらく、生地がいいのでしょう。
「ヘルシーを売りにした料理は、他にもございましてよ」
「たとえば?」
「れんこんチップスとか」
それは、試さずにはいられません。
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