みんなでBBQパーティ

「炭、持ってきたぞ。あとこれは、東洋の酒だ」

「わたくしは、最高の食材をお持ちしましたわ! お肉に海鮮、ライスもございますわよ!」


 BBQ当日、わたしたちはハシオさんのお屋敷に集まりました。


 ハシオさんとモーリッツさんにBBQの話を持ちかけました所、こころよくOKをいただけたのです! やはり、肉は正義なのですよ。


「火をおこしますねー」


 わたしは、炭を台にゴロゴロと入れて、点火します。風の送り場所を確保し、風を起こしました。


 おお、炭が踊りだしましたよ。


「ハシオさん、そちらは?」

「大丈夫っす!」


 隣のプレートの炭熾しも、終わったようですね。


 いやあ、お客さんが多くて賑やかです。


 まさか、園児たちまでもが来るとは思いませんでした。


「ではみなさん、各々お好きな具材を網に置きましょうね」

「はーい!」


 園児たちが、網の上に肉を乗せていきます。まずは、子どもたちから食べてもらうことにしました。


「モーリッツ! 久しぶりに飲もうぜ!」

「おうミュラー! 家族の方も、よく来てくださいました!」


 ミュラーさんも、ご家族とお見えになっちゃいました。まあ、元仲間ですから。


 わたしの二人の相方にフォローを入れてもらって……下ごしらえ始めちゃってます。完全に、BBQだけをやりにきちゃいました。


 ですから、お米を炊いている場合じゃないんですよ! ハシオさんとモーリッツさんを、もっと近づけないと。


「わーダメですダメです。火に近づいちゃいけませんよー」


 園児の管理で、わたしも動けません! どうしましょう?


「こんな美人さんとお友だちだなんて! モーリッツも隅に置けないわね?」


 ナイスアシストです、ヘルトさん! 持つべきものは、やはり女友だちですよね! 呼んでよかったです。


「いやあ。オレなんて!」


 あーっ、でも意識しちゃったでしょうか? 距離が遠ざかっちゃいました。


「アタシに任せなさいな、クリスちゃん」

「どうも、カレーラス子爵。辛くしないでくださいね。園児たちもいるので」

「平気よ。アタシの好む辛さを生み出せるのは、自分だけだって把握しているから」


 では、大丈夫そうですね。


「お願いします」と後は子爵に頼んで、ハシオさんの元へ。


 ところが……。


「お招き、ありがとうございます。モーリッツ殿」

「感謝します、シスター・エンシェント」


 この方までいらっしゃるとは。


 ああ、この人海鮮めっちゃスキでしたね。そりゃあ来ますよ。


 まあ、「モーリッツさんの運営する遊園地で、出し物がしたい」と提案したのは、わたしですからね。


「あなたにしては、随分と前向きなご判断ですね」

「エンシェントほどでは」

「いえいえ。子どもたちを遊ばせるだけではなく、自らも活動して場を盛り上げようとは。素晴らしい試みだと思います」


 おまけに、わたしまでいっぱい掴まされることになりましたけど?


 まあ、いいでしょう。ここは、わたしが犠牲になります。


 あとは、若い方たちでお好きに。


「ハシオさん、暑いでしょう。ボクが変わりますよ」

「いえいえ。お客さんに手伝わせるなんてできないっすよ」

「いいからいいから」


 うおお。ハシオさんから、ヘルプの視線が。


「お二方、そこをお願いできますでしょうか? 園児たちにお肉の管理を任せると、焦がしてしまうので」


 わたしは、ハシオさんの隣にモーリッツさんを立たせます。


「悪いっすよ! おもてなしの意味がないっす」

「いいんです。昔はオレが、メシ係だったので。火加減とか、教えます」

「じゃ、じゃあ、よろしくっす」


 目一杯もてなすつもりだったのでしょうが、まあいいじゃないですか。


「お願いします」

「わかった。とびっきりのを焼いてやるからな!」


 どうにか、ハシオさんとモーリッツさんを二人にすることができました。


「やりましたわ!」

「ええ。どうにかなりました」

「見てください、クリスさん! ゴハンがこんなに立って!」


 ああ、はい。


 やっと、わたしのターンです。

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