ep32 おめでとう

夜の7時に美波がオレの家に来てから、なんだかんだ、時間が経ち、11時25分。


「んじゃ、オレは蕎麦茹でてくるわ」

「わたしも見に行きます」

「やめて、なんか料理というほどでもないけど、なんか見られるのは恥ずかしい」

「えー、嫌がってるのを見に行くのが楽しいのに」

「美波って意外とS?」

「そうですね、ポテトの量はSですね」


「そのSじゃない!!」


アハハと2人で笑った。


「オレたち、本当に恋人なんだな」

「そうですよ、先輩後輩の関係はありますけど、基本は恋人なんですよ」


「そうだな、ソバにおいで」

「もう、しょうもない親父ギャグ言ってないで、キッチンに行く」


その後、人生初の年越し蕎麦を茹でているところを彼女の美波に見られながら、茹でた。


「いやぁ、ホントに12時過ぎるかと思いましたよ」

「ん、まぁ、ギリギリだけどさ」


ズルズルと年越し蕎麦を食べながら、アハハと笑った。


2人とも食べ終わった。


「今日は、帰らないよ」

「そうだなぁ」


こんな幸せな時間が永遠に続けばいいのになぁ。


ボソッとオレが呟いてそこを見ると、美波はすでに眠りに落ちていた。


「この眠り姫が、まぁこういうとこも好きなんだけどね」


美波にブランケットをかけて、オレも美波にもたれかかった。


「好きだよ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る