ep25 クリスマスイブの前日
「学校でクリスマスパーティー楽しそうだね」
「ま、わたしたちは次の日に神戸の夜景見に行きますけどね!!」
美波はクリスマスイブの夜景見るののをすごく楽しみにしているようだ。それがこの返答でわかる。
「そうだ、今更なんだけど、美波って誕生日いつだっけ?」
「ぶー彼女の誕生日知らないなんてひどい」
「ごめんやん、そういや聞いたことなかったなぁ、と思って」
「というか蒼空くんも関西に染まってきた、よきことよきこと」
「そうかな?」
こんな会話をしているのは美波の部屋だ。何気に肉屋の2階の美波の部屋に来るのは初めてだ。
「実はわたし、店番もたまにしてますよ」
「そうかー、じゃーメンチカツ一つ!!」
「120円になります。もしかしたら、蒼空くんが3代目になるかもねぇ」
ハハハッと2人で笑った。
「先生になってある程度キャリアができてから、急に肉屋の主人に転向も面白いかもね」
「そうだったね、蒼空くんは先生になりたいんですもんねぇ」
「そうだよ、まだどの教科はまだわかんないけどね」
「はい、三条先生、質問があります!!」
「なんでしょう、山下さん」
また2人で笑った。こんな何気ないありきたりな日常が続けばいいのになぁ。
そして、時は経ち、今日は12月23日、終業式で学校のクリスマスパーティの日だ。
学校のクリスマスパーティは夜の7時から学校全体を使って自由に過ごすというものだ。
本当は、校長の意向でベストカップル賞を決めるダンスコンテストも開かれる予定だったが、時間がない関係上でそれはカットされた。
「おや、空くん、今日はアリイちゃんと一緒じゃないんだ」
「そうだな、学年も違う訳だし、たまにはそういう時間も大事かということになって、今日は別行動なんだ」
「三条先輩!!」
急に女の子から急に声をかけられた。
「はいはい」
「あの文化祭の時のカレーの指揮、最高にカッコよかったです!!」
「ん、ぁ、え? なんかオレ、指揮担当だったからね、あの時はテンパったなぁ」
「そう……なんですか。ちなみに私は池内です。それはそうと、山下みませんでした?」
「見てないけど」
「わかりました。では、また!!」
「お、転校せーい!! 隅に置けないねぇ」
「わっ、船原さん」
サンタコスをした船原さんがそこにいた。
「船原サンタだ!! アハハ!!」
「何がしたいんだ?」
「三条先輩!! 山下が大変です!!」
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