第7章 クリスマス

ep24 クリスマスは?

結局、美波とはヒミコさんのおかげで元通りの鞘に戻った。もう季節はいつの間にか、冬の足音を伝えてきた。


今年は、彼女がいるんだ。美波と過ごすんだ。最高のクリスマスにするぞ。


「冬ですねぇ、寒い寒い」


この間の一件も何事もなかったかのように、美波はオレの横にいる。結局、美波が怒っていたのは、オレが誰にでも・・・・優しいのが問題だったんだろ? でも、雨音に優しくしていなくても、美波からは嫌われていた。


「なぁ、美波」

「はい」

「この間の……」

「この間の一件は、触れないでください」


これだから、女心はわからない。それが故に恋愛も楽しいものなのかもしれない。


「そうだな、オレも忘れたい。それはそうと、クリスマスどうしようか……」

「クリスマス!! そうですよねぇ、クリスマスですよねぇ。わたしは正直バレンタインのことで頭がいっぱいでした」

「ハハッ、バレンタインは流石にまだ早いよ」

「神戸の夜景、見に行きませんか?」

「神戸? あぁ、案に入れておこうか」

「わたし、憧れなんです!! あのキラキラ輝いた世界に恋人蒼空くんと一緒にいるの」

「あっ、わかる!! 神戸のあれ!! 名前忘れたけど、やばいくらいキラキラしてるもんなぁ!! 確か、休みって22日からだったよな」

「そうですねぇ」

「神戸、いこっか!!」

「はい!!」


そして、学校も終業式まであと1週間となった。


「あぁ、今年だけ、特別な」


担任は嫌そうに離し出した。


「学校主催、クリスマスパーティーを23日にしようとさっきの全職員会議で可決された。はぁ、なんてめんどくさい」

「やりぃ!!」

「サンタコスの女子……」

そんな感じに一部の男子がすごく喜んでいた。女子の反応はというと、

「まぁ、冬季講習よりかはマシか」

「いいんじゃない? 適当に楽しめば」

ちょっと冷ややかだった。


「これは何するかは早急に職員会議で決めると思うから、まぁ、首を長くして待機しているように。あ、でも、校長の意向で、ベストカップルには何かあるらしい。これはガチのカップル限定だから、非リアの気持ち考えろっっの。こちとら、アラフォーで恋人いないんだぞ。くそっ、何が楽しくて高校生のカップルのイチャコラを見なきゃいけんのだ」


あの、先生? 後半、ほぼ愚痴ですよ? でも、学校主催のクリスマスパーティーかぁ。それも楽しみだなぁ。





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