ep13 気付いた想い
「蒼空先輩は……」
オレはガバァと布団はいだ。
「ゆ、夢か」
アリイちゃん……。ふと、さっき見た夢に出てきた
WIREの無料通話で文句言おうと思ったけど、なんだろう。アリイちゃんには会って文句言った方が分かりやすそうだ。
そう思い、送った文面が……
「会えない?」
この4文字だった。すっと血の気が引くのが分かった。これではまるで、恋人に別れ話を切り出してるみたいではないか。そもそも、アリイちゃんとオレは仲のいい先輩後輩だ。そう、まだ友達でもないのだ……? いや、友達か。
「あえますよ」
アリイちゃんはオレの気持ちを知ってか知らないでか……オレの気持ちってなんだよ……すっと返事をくれた。
「それじゃ、10時に駅前で!!」
なんだよ、この気持ち。まるでアリイちゃんに恋心抱いてるみたいじゃないか。仮にだよ? もし、今日告白しても……。うまくいくのか? いや、仮に、もし、付き合ったとしたらどうするの? 振られたらどうするの? 今後学校で廊下ですれ違ったら……。そんな事が頭の中グルグルしていた。いや、待て、そもそも年下に興味なかったのでは?
そして、9時30分。
「行ってきます」
アリイちゃんとの約束の時間に間に合うようにオレは家を出た。
「はぁ、結局、オレ自身の気持ちがわからなかったな」
思ったよりも早く駅前に着いたので、コンビニに寄ってココアシガレットを買った。ちょっとタバコ吸ってるみたいに見えてカッコいいだろ? と思った。ココアシガレットを咥えていると
「蒼空先輩!!」
「アリイちゃん、オレのこと……」
「ん? どうしました?」
「な、なんでもない」
「さて、休日のわたしになんの用ですか?」
「休日なのはオレもだ。いや、用があるのはアリイちゃんじゃないの? 朝の5時からずっとスタンプ送ってきて」
「あっ、えっ。はい、ごめんなさい。 つい構って欲しくて……」
「ま、別にアリイちゃんだから、オレは怒ってないけどね」
「
「や、な、なんでもない、失言だ」
そっか、オレ、いつの間にかアリイちゃん、いや、山下 美波に恋していたんだ。
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